米Intelは6月17日 (現地時間)、Coreプロセッサを中心とした今後のブランド戦略について説明した。「Core i7」に「Core i3」と「Core i5」を加えて、Coreプロセッサを展開する。またモバイルプラットフォーム・ブランド「Centrino」をPC向けに終了させ、2010年からは同名称を無線テクノロジに使用する。

Intelは継続的に、事業戦略の変化に従ったブランド計画の見直しを行っている。今回の改造についてコミュニケーションマネージャーのBill Calder氏は「われわれはユーザーをIntel製品へと導く、シンプルなブランド構造を実現している」と評価しながらも、PCの多様化、スマートフォンやネットデバイスの台頭などの急速な変化の中で、Intelのテクノロジが果たしている役割が十分に伝わらない点も出てきたと指摘している。「よりシンプルに、より大きなインパクト」を目指した変更だという。

同社は現在クライアント向け上位ブランドのCoreプロセッサを、Core i7を筆頭にCore 2 QuadやCore 2 Duoなどの多様な製品展開でアピールしている。これを長期的には、Core i7にCore i3とCore i5を加えた、よりシンプルなCoreプロセッサ・ファミリーにまとめる。なおi3/ i5/ i7はブランドではなく、Coreファミリーの中で製品を格付けするモディファイヤーである。Coreというフラッグシップ・ブランドの中でハイレベル (Core i7)、ミッドレベル (Core i5)、エントリーレベル (Core i3)を現す。例えばデスクトップ向けLynnfield (開発コード名)は、機能と性能の違いでCore i7とCore i5の両方で提供されることになる。モバイル向けのClarksfield (同)の場合はCore i7での提供になる。

Coreをフラッグシップ・ブランドに、引き続きベーシック・コンピューティング向けにPentium、エントリーレベル・コンピューティング向けにCeleron、さらにネットブックやスマートフォン向けにAtomを展開する。

プラットフォーム・ブランドにおいても、Coreがアピールされる。エンタープライズ向けテクノロジのプラットフォーム「vPro」については、2010年からビジネス向けクライアントシステムに「Intel Core i7 vPro processor」または「Intel Core i5 vPro processor」を付す。同様にモバイル・プラットフォームにおいても、よりCoreにスポットライトを当てるために、PC向けには「Centrino」を引退させる。ただしCentrinoは無線テクノロジをユーザーにイメージさせるブランドとして深く浸透しており、2010年からWi-FiやWiMAX製品の名称にCentrinoを利用していくそうだ。