ある結婚適齢期の草食男子を主人公に、「積極性を身につけるために必要なこと」を10回にわたってご紹介する本企画。「次の恋愛は、結婚も真剣に考えられる相手と」と婚活も必要かと考え始めた頃には、仕事の比重も重くなっていることだろう。第8回の今回は、仕事と婚活を両立させるという"欲張り"を紹介します。
監修 : 結婚相談所シャルウィ 代表カウンセラー 伊藤小百合さん
1974年4月生まれ。アメリカ留学後に英会話講師、ホテルのフロント業を経て、人のお世話をする仕事に就きたいという思いが強くなり、2005年5月に結婚カウンセラーの資格を取得。2008年4月には神奈川県横浜市に結婚相談所「シャルウィ」を開設した。全国に1,000支部以上を持つ日本ブライダル連盟加盟。男性と女性の専任カウンセラーがそれぞれおり、お見合いやパーティー、オリジナルのセミナーなど様々な婚活方法で成婚までをプロデュースしている。ホームページは「結婚相談所シャルウィ」。
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【Vol.8 】仕事の延長線上に婚活を据える
先日、男友達と飲み明かしながら僕の恋愛について駄目出しを受けた時、「"婚活"したら?」とも言われた。もう恋愛よりも結婚を考える歳ってことかぁ。でも、婚活と言っても、お見合いパーティーや結婚相談所に行く勇気はないのが本音。仕事も忙しさを増しているし、仕事と婚活の両立なんて優しくないだろう。
そんなところに、若手社員のメーリングリストから、毎年恒例の「親睦バーベキュー」の案内が届いた。いつもなら何かと理由をつけて欠席していたが、身近なところで婚活ができるじゃないかとふと思った。
バーベキュー当日、集合場所には家族参加も見られるが、独身男女が10名ずつと、幹事もなかなか考えているようだ。こういうイベントには絶対出席する春子も来ている。とりあえず車中で自己紹介や近況報告をしながら、現地へ。同じ会社とはいえ、他部署となると知らない顔ばかりだ。到着すると早速、夕食の支度だ。女性陣がやはりテキパキと動く中、僕は男だし火おこしをと張り切ったが、野菜を切る担当に任命された。女性たちの中でやりづらさを感じながらも、「上手ですね。でも、もう少し小さくてもいいかも」と笑顔で言われると嬉しくなってくる。
■結婚カウンセラーからのアドバイス
日々忙しく仕事に追われる中、どのように女性と出会えば良いのか分からない人が多いのではないでしょうか? しかし、ただがむしゃらに出会いを求めるよりも、自然体でいる時にこそ素敵な出会いが訪れるケースがあります。仕事の延長線上に婚活を考える上でも、まずは身近な職場の仲間と出かける計画を立てるのも一つです。仕事帰りの飲み会も良いですが、休日に近場へ遊びに行くのも良いでしょう。オフモードの時こそ、気になる女性とゆっくり話すチャンス。反対にオフモードとはいえ、男らしさを見せることを忘れずに、例えば会計の時ならば男性が多めに支払うくらいのリーダーシップを出して、女性に頼り甲斐がある印象を与えましょう。
また、初対面の女性と出会うには、男女が集まる場所に足を運ぶことが近道でしょう。社会人サークルや趣味サークルなどが利用しやすく、共通点があれば自然と会話は弾みやすくなります。趣味がなくても、仕事帰りに気軽に利用できるジムなども、出会いを密かに願いつつ通っている独身者も中にはいるようです。ただし、露骨にアピールすると、女性は引いてしまいます。すぐに異性として意識させるのではなく、まずは「感じの良い人」という大人の余裕を見せることがポイントです。週1ペースで会っていれば面識もでき、自然と話ができるようになるはず。そして相手のことを知り、自分のことも分かってもらうようにしていきます。最近は女性も積極的ですし、別の場所でも話をしてお互いをもっと知りたいと思われるようになれば成功ですね。
バーベキューを囲みながら宴が始まった。やはり仕事の話から、お酒が進んでくると恋愛や結婚の話、特に"婚活"ブームの話題で盛り上がった。夫婦参加した奥さんが「旦那とはキャリアアップになればと思って通い始めた英会話スクールで知り合ったの。毎週顔を合わせているうちに話すようになってね。あれが私の婚活だったかも(笑)」と話した。それを聞きながら、「仕事のためと思えば、僕も女性が集まる場所へ行きやすいかも」と感心した。視線の先にいる春子も気になる存在だが、今日の一日で「僕に合う結婚相手ってどんな女性だろう」という好奇心が強くなった。まずは単純だが……英会話スクールに通うのを真似てみよう。
■結婚カウンセラーからのアドバイス
時間と金銭的に余裕があれば、仕事に役立つ資格やセミナーに参加してみるのもお勧めです。休日や仕事帰りに資格のスクールに通うという、キャリアアップに励む社会人女性の話もよく耳にします。そういう場所でも挨拶から話掛けてみると、話が盛り上がって親しくなれる場合もあります。直接男女の出会いに結びつかなくても、仕事以外の場所で女性と親しくなれることもあまりないでしょうし、自信をつけるいい機会です。人との新しい出会いがある場所にただ身を置くだけではもったいないので、気になる人がいればどんどん話しかけていきましょう。話し掛けられて嫌だと感じる人は稀で、大半の人はきっかけを待っています。
最近の女性が"自分磨き"に余念がない一方で、男性の場合は現状維持派が多く「今の自分でも良い女性は見つかるだろう」くらいの軽い気持ちの人も少なくありません。その結果、いざ婚活の場面で女性に「パッとする男性がいない……」と思われてしまいがちです。人との出会いがある場所では、特に女性の目を気にしてみてください。「目は口ほどに物を言う」というように、女性も気に入った男性に対しては凝視し、そうでない場合には視線をそらしていますよ。婚活を意識し始めたならば、これからは自分から心を開いて向上心を持ち続けましょう。初対面の女性にいかに好印象を与えられるかに努め、女性が集まる場所も訪れ、恐れずに出会いのチャンスを自らつかんで欲しいと願っています。
(つづく)
【ハウツー】婚活未満なあなたに贈る、積極性を身に付けるために必要なこと
