iPhoneなどのモバイルデバイスを中心に利用が広がる入力方式「マルチタッチ」が、Linuxネイティブの機能として実装された。フランス国立民間航空学校 (ENAC) のインタラクティブコンピューティング研究室が開発したドライバは、同校Webサイト経由でダウンロードできる

ENACが開発したマルチタッチドライバは、Linuxカーネルv2.6.30に対応。直接カーネルと通信する方式を採用、ドライバ稼働時にはデバイスファイル「/dev/input/eventX」が有効となり、X Window Systemへ依存せずマルチタッチデバイスの利用が可能となる。現行バージョンでは、BroadcomとStantum、NTrigとDiamondTouch社製品の動作が確認されている。3Dウインドウマネージャ「Compiz」上で画像の回転や拡大 / 縮小を行うデモ映像は、YouTubeで視聴できる。

開発されたマルチタッチドライバのうち、NTrig用はlinux-next gitリポジトリ (最新の成果がマージされるLinuxカーネルのソースコードツリー) に統合済み。StantumとDiamondTouchのドライバについては、Linuxカーネルv2.6.31までに登録されるとの見込みが示されている。

Linuxで動作可能なマルチタッチ実装としては、ほかにX.Orgが開発を進めるX Input 2 / MPX (Multi-Pointer X) がある。MPXを収録したX.Org X11 (X.Org 7.5) は、今夏のリリースが予定されている。