遂に、オリンパスからマイクロフォーサーズシステム規格に準拠したレンズ交換式のカメラ「オリンパス・ペン E-P1」が発表された。
「オリンパス ペン」がデジタルに
製品発表会では、冒頭にオリンパス 代表取締役社長 菊川剛氏が「昨年夏に、マイクロフォーサーズ規格を発表してから永らくお待たせしてしまいました」と挨拶し、「(E-P1は)待っていた甲斐があったと感じていただけると確信しております」と力強く語った。新製品の詳細はこちら。
菊川氏は、1996年に同社が一般向けデジタルカメラ事業に参入したときには「デジカメはまだPC周辺機器という位置づけだった」と振り返り、参入当初から一貫して写真の高画質化を追求してきたという同社の姿勢を示した。
同社は、2003年10月には「フォーサーズシステム規格」対応の「オリンパス E-システム」より「E-1」を発売し、デジタル一眼レフカメラ事業に参入。2007年には、オリンパス E-システム第2章と位置づけられた「E-410」「E-510」「E-3」の3機種を投入。機能面でも、ダストリダクションシステムやライブビューなどの機能を他社に先駆けて搭載してきた。また、ボディの小型軽量化や、「E-30/620」に採用したアートフィルターなどにより、女性ユーザーなど新たなファンを獲得してきているという。
そんな同社が満を持して投入するのが、"新世代マイクロ一眼"を名乗る「オリンパス・ペン E-P1」。機能競争を優先しがちなデジタルカメラの中において、キーコンセプトは、「上質な持ちモノ」「上質な操作性」「上質な表現力」という、"上質さ"にこだわったモデルとなる。
1959年に発売したハーフサイズカメラ「Pen(ペン)」の名を受け継いだ新モデルは、「コンパクトでも一眼レフでもない、全く新しい魅力をもっている」とし、菊川氏は新たな市場創出への意気込みを見せた。
小さいだけではない、注目の「デザイン」
目指したものは一言で言うならば「上質感」と話す、オリンパスイメージング SLR事業本部 本部長 小川治男氏 |
続いて登壇したオリンパスイメージング SLR事業本部 本部長 小川治男氏は胸ポケットから、E-P1を取り出し、その薄さを披露。しかしながら、「小さいだけではなく、デザインに注目していただきたい」とアピールした。
新しさか、シンプルか、トラディショナルか――。議論の末に選ばれた5つの原案の中からモックアップモデルをつくり、最終的に選出されたのが今回の"E-P1デザイン"。アンケート調査では、この"カメラらしい"デザインが年配の方のみならず、若い世代にも「長く使えそう」「本物感がある」などと評価が高かったという。
「Penをつくろう!」を合言葉として、磨きこまれて行ったという新モデルは、外装にもこだわっており、「金属外装とすることで、手のひらを通して伝わってくる感触を感じていただける」と小川氏。「ボディカラーにもチャレンジをした」と話すとおり、トラディショナルなイメージのシルバーのほか、より多くの人に楽しんでもらいたいという想いからホワイトも用意している。
"小型軽量"のマイクロフォーサーズ機の開発背景には、コンパクトデジタルカメラ購入者の約2割がデジタル一眼レフの購入を検討しつつも、「重い」「難しそう」「大きい」といった理由から購入に至らないという現状がある。その壁を取り払うべく誕生したのが、「一眼の高画質」と「簡単さと携帯性」を併せ持つ「マイクロ一眼」なのだ。小川氏は、「Penをモチーフとしながらも、ノスタルジックになるのではなく、新しい風を起こしたい」としていた。
スライドショーにはDAISHI DANCEによるBGM機能付き |
「E-30」や「E-620」にも搭載されている「アートフィルター」機能も採用された。動画にも効果を適用可能 |
マルチアスペクトや多重露光などクリエイティブ機能も多彩だ |
なお、今回同時に発表された標準ズームレンズ、広角単焦点レンズのほか、2010年春には小型超広角ズームレンズ、小型高倍率ズームレンズなども発売される予定となっており、「趣味性の高いレンズラインアップも検討中」としていた。
「アートフィルターがお気に入りです」
会場にはイメージキャラクターを務める宮﨑あおいさんも登場した。
1日1枚写真を撮り「写真日記」を楽しんでいるという宮﨑さんは「アートフィルター機能の"トイフォト"と"ファンタジックフォーカス"がすごく好きです。ファンタジックフォーカスで人を撮るとかわいく写るので、マネージャーさんにも『かわいいので撮って』と頼んでいます(笑)」と同社のデジカメを使いこなしている様子。新モデルを手に取り、「E-P1は軽いし、アートの機能やHD動画など欲しいものが全て入っています」と笑顔を見せていた。