東京学芸大学と日本イーライリリーはこのほど、中学生を対象としたメンタルヘルスの現状と教育実態を調査したアンケート結果を公表した。アンケートは2008年11月17日~2009年6月4日にかけて、首都圏の公立中学校507校を対象に実施。163校の有効回答を集計した。
その結果、全体の98.7%が「こころの健康状態に何らかの問題を持つ生徒がいる」と回答。また、83.9%が「精神医療の専門機関を受診している生徒がいる」、37.3%が「過去3年間にうつ病と診断された生徒がいる」と答えている。
こころの健康状態に何らかの問題を持つ生徒がいるか |
こころの健康問題で精神医療の専門機関を受診している生徒がいるか |
さらに、その状況について53.1%が「増加している」と回答し、増加している生徒の特徴として、「自分に自信が持てない」(64.1%)、「ストレスや悩み事を抱える」(64.1%)、「集中力が持続しない」(59%)などが挙げられ、「不登校が増えている」とした学校は48.1%にのぼった。
過去3年間にこころの健康問題で精神医療の専門機関を受診した生徒は増えたか |
一方、こうした実態に対して、授業で精神的な病を扱う授業を実施している学校はわずか30.4%。対して、必要性を感じている学校は82.6%に及び、その内容では、「薬物依存症(覚せい剤等の乱用)」(63.8%)、「うつ病」(61.5%)、「摂食障害(拒食、過食症)」(50.8%)、「アルコール依存症」(50.8%)の順に多かった。