Microsoftは10月22日発売予定の「Windows 7」欧州版に、Internet Explorer 8(IE8)を同梱しない。同社副社長兼次席法務顧問のDave Heiner氏が、公式ブログ「Microsoft on the issues」へ米国時間の11日に投稿した記事で明らかにしたもの。
「Working to Fulfill our Legal Obligations in Europe for Windows 7」と題された記事によれば、Microsoftは1月にEUの行政執行機関である欧州委員会から、WindowsにIEをバンドルすることは独禁法に反する疑いがある旨の告知書を受領。法的な解決を見てはいないが、Windows 7を世界の他地域と同時発売するために、IEを取り除いた欧州向けバージョン「Windows 7 E」の提供を決断したという。Windows 7のプリインストールを必要とするコンピュータメーカーに対しては、すでに通知を開始しているとのこと。
記事では、コンピュータメーカーはIE8を含め自由にブラウザを選択でき、ユーザが任意のブラウザに置き換えることも可能なことから、Windows 7 Eでも問題なくインターネットに接続できるとしている。OSとしての基本機能は変わらず、他のアプリケーションも通常版のWindows 7同様に動作するという。
欧州委員会との交渉の過程では、Windows 7に複数のブラウザを収録しユーザに選択させるなどの案も浮上したが、そのようなアプローチはベストとはいえないとHeiner氏は述べている。Microsoftは、欧州委員会とのWebブラウザを巡る話し合いを継続する方針。