毎日コミュニケーションズは12日、カフェや雑貨店などを開業するための実用書『わたしのお店のはじめかた。人気店に学ぶ雑貨店 & カフェ開業BOOK』を発売する。定価は1,680円。カフェや雑貨店、さらにはパン店、花屋、本屋など計17件に取材し、役に立つ開業ノウハウをまとめた一冊となっている。

『わたしのお店のはじめかた。人気店に学ぶ雑貨店 & カフェ開業BOOK』

必要経費を抑えて夢を実現

同書にて紹介されている東京・合羽橋のカフェ「itonowa」は、玄米や野菜を使ったメニューが人気を集めているという。元は事務所だった築年数の古い物件を選ぶことで、店舗取得費を抑えたとのこと。その分、「ごはんと雑貨の店」というコンセプトを実現するため、オリジナル雑貨の製作費など、こだわりたい部分には経費を惜しまなかったという。

合羽橋の裏通りにたたずむカフェ「itonowa」。一面ガラス張りで明るい雰囲気

玄米おむすび(日替わり)と旬野菜のおかず、ドリンクが付く「プレートセット」(1,000円)

東京・国分寺にある「cafe.bar.gallery.Roof」は、食事もお酒も楽しめるギャラリーカフェ。美大出身の男性オーナー2人は、解体から施工までを自分たちで行なうことで内外装費を抑え、自己資金内での開業を実現した。安くておいしい旬の野菜を多く使い、各国料理の工夫を取り入れたメニューを豊富に揃えている。

「cafe.bar.gallery.Roof」は2階建て。2階部分はギャラリーとして利用される

マレーシアのカレーをヒントにした「ココナッツミルクとトマトのチキンカレー」(800円)

業態をこえてためになる事例の数々

多彩な商品の存在感に負けないよう、什器にもこだわった「山田文具店」

次はカフェ以外の業態。東京・三鷹にある文具専門店「山田文具店」では、ロングセラー商品を軸に品揃えを組み立てている。長く愛される商品が持つ普遍的な魅力をベースに、作家オリジナルの"かわいい"文具や、小学校で使ったような"懐かしい"文具を組み合わせることで、文具ファンから主婦まで幅広く楽しめる店となっている。

様々な創意工夫で独立を実現したショップオーナーたち。しかし、独立開業に至った経緯は様々だ。古いビルの一角にある森岡書店(東京・日本橋)の店主は、以前この場所にあった骨董店を訪ねた際、その空間に惚れ込んだ。その骨董店が閉店すると知って大家と交渉し、古書店を開業するに至った。魅力的な空間をいかすことで、「わざわざ訪ねたくなる店をつくることができた」といった開業ストーリーは、書店に限らず他業態での開業を考える人々にとっても大いに参考になるだろう。

静謐な空気に満ちるレトロな空間。「森岡書店」はギャラリーやフォトスタジオとしての利用も可

同書では他に、雑貨店やカフェ機能もある兵庫・西宮のDPEショップ「FRAME*」や、佐賀・松原に復館オープンした映画館「CIEMA」など、個性的な事例も収録。業態をこえて共通する開業の工夫に迫っている。また、巻末に収録された「開業のためのヒント集」では、開業資金の計算や、資金調達の方法、開業に必要な各種届出などもしっかりと紹介している。

担当編集は、「写真を豊富に使って、開業への夢をふくらませる仕上がりとしつつ、役立つ情報もいっぱい入っている実用書を目指しました。これからお店を開くと決めた人だけでなく、いつかはお店をはじめたいと思っている人にも、是非手に取っていただきたい」と話している。