これまで毎年秋に、女性を対象とした「アンチエイジングセミナー」を行ってきたNPO法人(特定非営利活動法人)アンチエイジングネットワークは9日、同団体初の男性向けアンチエイジングセミナー「おとこ力の鍛え方~日本経済を切り拓く身体をつくる~」を開催した。
同セミナーでは「未曾有の経済危機を乗り越えて活気ある日本経済を取り戻すためには、経済を支える中高年男性が元気であることが大切」という視点から、各分野の専門家らが登壇。今後の日本経済の予測や発展の可能性から、健康に対する取り組み方やメンタル面でのケアなど、幅広い視点から"アンチエイジング"について語られた。
最初に登壇したのは、男性医学のオーソリティであり、アンチエイジングネットワーク副理事長も務める熊本悦明氏。熊本氏は「日本の男性は仕事人間が多く、健康管理を怠っている人がほとんど。もっと自分の体に関心を持ってほしい。人間ドックで生きるか死ぬかを調べるだけでなく、中高年男性のエンジンオイルともいえる男性ホルモンが低下していないかどうかも注視してほしい」と健康管理の重要性を説いた。
次に、千葉商科大学学長であり経済学者の島田晴雄氏による講演「社会経済の激変とアンチエイジングな生き方」が行われた。島田氏は最初に「サブプライムローン問題がきっかけになってアメリカが弱体化したことで、これまでアメリカに依存してきた日本は今後、必ず自立を迫られることになる」と明言。その上で、今後の世界経済をリードするためのキーワードとして「人口増加によって引き起こされる健康、水、食糧問題」「環境」「新しいエネルギー」の3つを提示。「これらのジャンルに注目していったら必ず明るい未来がある」とし、「春の来ない冬はない。健康な心身を持ち、未来をしっかり見据えて、これからも精神的に老いることなく最高の人生を送ってほしい」と、客席の中高年男性たちにエールをおくった。
帝京大学医学部泌尿器科主任教授であり男性更年期障害医学の専門家・堀江重郎氏は講演「ホルモン力が人生を変える―健康リテラシーで男性力UP―」の中で、先ごろロンドンの証券取引所でトレーダーたちの唾液を採取して男性ホルモン=テストステロンの量を測定する実験を行ったところ、トレーダーたちのテストステロンの分泌量が高かった日は儲けが多かったというデータを紹介。
「これまでホルモンというと医学的な意味しかないと考えられてきたが、こうした実験によって最近ではテストステロンの分泌量が個人の社会へのかかわり方にも影響することがわかってきた。テストステロンは集中力や判断力に関係し、活力度にも影響を与える。つまり男性の勝利の法則は、テストステロンの量を高く保つことである」(堀江氏)。また、堀江氏は「ホルモン力を上げて活性酸素を消去するためには、腹七分目の食事と、良い友人、そして適度な運動、おしゃれ心などが大切。さらに女性への興味を無くさないことも大事」と男性ホルモン力UPについて、実践的なアドバイスを述べた。
第二部のパネルディスカッション「医者と学者の本音の話『デキる男・モテる男はココが違う!?』」ではスペシャルゲストとして俳優の石田純一が登場。石田は、アンチエイジングネットワークが昨秋開催した「アンチエイジングセミナー2008」にて、アンチエイジング賞の受賞歴をもつ。
司会者に、いつまでも若々しく魅力的でいられる秘訣を尋ねられた石田は「僕は野菜を始め、美味しいものを食べるのが大好き。いつもお気に入りのイタリアンレストランで、美味しい食事をとりながら、女性と楽しい会話を楽しんでいるからですかね」と、ユーモアを交えながら、自身のおとこ力の秘訣を披露した。