BCNはこのほど、全国の大手家電販売店から収集した実売データを集計する「BCNランキング」にもとづいた、デジタル家電の夏ボーナス商戦の分析結果を発表。BCNアナリストである道越一郎氏が、エコポイント導入による薄型テレビの動向に続き、レコーダー、デジタルカメラについて言及した。
「ついで買い効果」で好調のレコーダー
道越氏曰く、「エコポイント効果で好調な薄型テレビにひっぱられ、レコーダーでは『ついで買い効果』が出ている」。エコポイント対象外のレコーダーは、薄型テレビの伸びに合わせて、販売台数・金額ともに伸びてきているようだ。ただし、「BD/その他別販売台数・金額構成比」(※表1)のグラフのとおり、台数・金額ともに過去最大のBD化率となっており、「BDへの買い替え効果は、今後期待できない」としていた。
また、HDD容量の側面からみると、シャープが主力を320GBモデルにシフトするなど全体で容量の拡大が進んでいる。その中で、「250GB~1TBまでの容量のモデルをバランス良く用意し(※表2)、万遍なくユーザーを取り込もうとするパナソニックの戦略が今のところ当たっているようだ」と解説。また、BDレコーダーに限れば、「パナソニックとシャープの戦いに、ソニーがどこまでついていけるのか、が気になるところ」としていた。
4月の落ち込みからは脱出した一眼
デジタルカメラでは、コンパクトの不振が続いており、「新機軸製品の登場待ち」という状態。店頭活性化による多少の底上げはあるが、「新製品投入効果を期待したい」としていた。また、「単価下落は止まったが、だからこそ台数が出ないという結果を招いているとも言える」と分析した。
メーカーシェアは、コンパクトでは「キヤノン、カシオ、パナソニックの3社がトップ争いを続けている。台数ベースでは、キヤノンとカシオだが、パナソニックが金額ベースではカシオを抜いた」と勢いを増すパナソニックに注目していた。
また、一眼カメラでは動画対応モデルが増えているが、「動画モデルを根付かせるには、写真とは違う、ムービーの文化醸成という戦略が必要となってくるだろう」としていた。