恋愛・結婚マッチングサイトを運営するマッチ・ドットコム ジャパンは10日、人類学の第一人者でmatch.comのチーフサイエンスアドバイザーでもあるヘレン・フィッシャー博士の来日を記念し、山田昌弘中央大学教授との共著『「婚活」時代』で知られるジャーナリスト、白河桃子氏との「日米婚活対談」と題したトークイベントを開催した。
フィッシャー博士はまず、晩婚化や出生率の低下は世界的潮流であり、「結婚というものがこの50年で大きく変わった。今は結婚を再定義する時代」と述べた。また、白河氏は(1)いい出会いがない、(2)日本人は男女共に受身なので恋愛が面倒という人が増加している、(3)付き合っている男性が中々結婚してくれない-ことが結婚に至らない理由であるとし、日本人が元々、自由恋愛に慣れていないことも要因だと話した。
パートナーとして求める項目について、フィッシャー博士は「知的でユーモアがあり、セクシーで優しく、健康であるというのは男女共通。なかでも、男性にとって女性は自分の子供を産んでくれる人なので、若さ、健康、美しさを求める傾向にある。一方の女性は、自分の子供をしっかりと一緒に育ててくれる人として、経済的に安定し、社会的地位があり、いい仕事をして、いい教育を受けているかどうかをみる」とした。白河氏はフィッシャー博士の意見に賛同し「また近年、専業主婦を望む女性の人気が薄れ、仕事をしているかどうかもチェック項目のひとつとなった。また、女性は年収で結婚相手を探す人が多いが、年収が高い男性が少ないため、これが日本での結婚難の要因ではないか」と付け加えた。
結婚相手の決め手として、フィッシャー博士は「相手を本当に愛しているかどうかが、一番大事。アメリカで行なった調査では、91%の女性、86%の男性が、自分の求めている要素を全て持っている異性でも、その人を愛していなかったら結婚できないと回答している」と条件だけでは結婚できないと指摘。白河氏も「条件のいい相手だけを探しても、相手の素晴らしい所ところを見る目や、相手へのときめきがなければ、婚活はうまくいかない」とした。
恋愛に消極的な「草食男子」が増加していることについて、フィッシャー博士は「男女ともに恋愛については積極的だが、女性はあまり見せずに男性を誘うのが上手い。それは昔から同じ。でもこれは、旧来の考え方。男性が家族を養い、恋愛においても主導権を握り、プロポーズもするという考えは、変わっていかなければならない時代にきている」と、結婚が再定義される中、必然的な流れであることを強調した。また、白河氏も、結婚相手を探してもうまくいかない女性の言葉として(1)自然に出会いたい、(2)結婚したら出産して子育ての期間は養ってほしい、(3)ひっぱっていってくれる相手がいい-、の3つを挙げ、特に(3)は、誠実な男性であればあるほど要望に応える自信がないと、むしろ結婚のチャンスを逃している事実を指摘し、「結局自分の望む方向へひっぱっていってほしいのであれば女性が男性をリードしてもいいのではないか」と、女性の"肉食女子"化を推奨した。