6月2日より、台湾・台北世界貿易センターでWiMAX関連イベント「WiMAX Taipei 2009」が開催されている。同イベントでWiMAX CPE/データ端末メーカーの台湾AWBは、小型のUSB端末などの新製品を展示していた。
可搬性に優れたUS221やクレードル型アンテナ
台湾のAWB(Accton Wireless Broadband Corp)はコンシューマー向けWiMAX機器のOEM/ODMメーカーである。同社の製品はWiMAX事業者ブランドの製品として各国で販売されている。
WiMAX Taipei 2009に合わせて発表された新製品「US221」はUSB型のWiMAX端末。対応周波数は2.5GHzまたは3.5GHz。未使用時には回転式のキャップによりUSB端子を保護することができる。対応OSはWindows XP/VistaとLinuxで、どちらのOSでもUS221を装着するだけでドライバが自動的にインストールされる「ゼロインストール機能」を搭載している。なお本体にはマイクのような穴があるが、VoIP機能には対応していないとのこと。放熱性を考慮したため、穴が設置されているという。
また、US221に利用できるデスクトップ型の「アンテナクレードル」も展示されていた。家庭やオフィス内でUS221を利用する際、USBポートが本体背面にあるデスクトップPCなどは、端末の装着が困難な場合がある。こういった場合にアンテナクレードルを利用すれば、机上の好みの位置でUS221を脱着できる。また、外部アンテナを内蔵しているので、屋外に比べ弱い室内でのWiMAX電波感度を向上させることができるという。
US221を自宅内ではデスクトップPC、外出中はノートPCで利用するといった具合に使い分けたい利用者には便利な装置と言える。クレードルを窓際に近い位置に置けば、屋内での感度をさらに向上させることも可能になるだろう。外部電源は不要で、PCのUSBポートからの電力供給で稼動可能。モデルはACR2X(2.5GHz)とACR3X(3.5GHz)と対応周波数別に2種類が用意される。発売時期はUS221共に近日中、価格は未定とのこと。
このほか、発売中のPCカード型端末「PC200」、USB型端末「US220」の展示も行われていた。どちらも2.3/2.5/3.5GHzのいずれかに対応する。このうちPC200はドミニカ共和国向けに5万台、US220は台湾の大同電信向けに1万台を出荷するなど、各国での採用が進んでいる。今後は日本も含め、各国に販路を広げたいとのことだ。
ホームユースのCPEはスタイル重視の時代に
家庭用となるCPE(Customer Premises Equipment、エンドユーザー機器)は、屋内用屋外用の製品を複数展示していた。
新製品となる屋内用のRG231は本体形状に曲面を多用するなど、室内に置いてもインテリアのように違和感のないデザインに仕上げてある。サイズも従来品より若干小型化された。CPEは無線LANのルーターに類似した「無線機器」といったデザインをしている製品が多かったが、WiMAXの普及により今後は性能だけではなく外見も重要視される時代になるだろうとのことだ。本体色は白が展示されていたが、OEM先によってはカラーバリエーションへの対応も検討するという。対応周波数は2.3、2.5または3.5GHzとのこと。台湾の事業者などへ今年中に発売される。