6月2日より、台湾・台北世界貿易センターで、WiMAX関連イベント「WiMAX Taipei 2009」が開催されている。昨年開催された「WiMAX Expo 2008」より若干規模が縮小され、コンピューター関連の総合見本市「COMPUTEX TAIPEI 2009」展示ホール内での開催となっており、通信事業者や端末メーカーなど約20の企業、団体が出展を行っている。同イベントは6月6日まで開催している。
台湾のWiMAX事業免許は国土を南北に分け、それぞれのエリアに3社ずつ交付を受けている。WiMAX Taipei 2009ではこのうち南部の大同電信と威達有線電視、北部の全球一動(Global Mobile)の3社が出展を行っていた。
大同電信、台湾初の商業WiMAXサービスのデモを展示
大同電信は台湾南部のWiMAX事業者。台湾初の商業WiMAX商業サービスを今年4月27日に開始している。サービスエリアは台湾南部のリゾート島、澎湖島(ほうことう)。7月には台湾第二の大都市、高雄市でもサービスが開始される予定である。
同社ブース内には現在提供中のサービスが紹介されていた。端末はモバイル用となるUSB型のモデムと、据え置き型となる家庭用の2種類。通信速度は下り最大8.7Mbps、上り最大2.79Mbpsで、HSDPAサービスと比較して実速度は3~5倍速いとのこと。基本料金はモバイル用がNTD699(約2060円)/月、家庭用がNTD649(約1920円)/月の2タイプ。
固定契約期間は24カ月でどちらも端末は無償で提供される。また家庭用サービス契約者は別途NTD999(約2950円)を追加で支払うことで、モバイル用のUSBモデムを購入することが可能である。現在、最初の3カ月間の基本料金が無償となる新規加入キャンペーンを7月7日まで行っている。
また年明けには音声通話端末を投入し、音声通話、TV電話、動画配信サービスなども展開予定。電話番号も携帯電話サービスに準じた090-006で始まる新しい番号が提供されるとのこと。参考出品として音声通話用の端末も展示されていた。その他にも家庭向けにHDTVの配信を予定しているなど、WiMAX端末が出揃う来年以降、サービス内容を充実していく予定だという。
コンテンツで勝負する威達有線電視
台湾で有線TV事業を展開中の威達有線電視は、今年中のサービス開始に向けて準備中だという。第4四半期に台湾南部でサービスを開始する予定だ。威達有線電視はすでにプロ野球中継やニュース番組など多彩なコンテンツを持っており、WiMAXもそれらの配信を中心とした事業内容を展開予定である。
同社は家庭向けに有線によるVoIPサービスを提供しており、WiMAXサービス開始後も家庭用、モバイル用のVoIPサービスをすぐに展開したいとこのこと。このほか、テキスト情報配信用として電子ブック型端末が参考展示されていた。
全球一動、WiMAX対応機器を参考展示
今年第3四半期に台湾北部、新竹でWiMAXサービスを開始予定の全球一動(Global Mobile)はインターネット接続サービスを提供予定。サービス提供前ということもあり、展示内容はWiMAX機器の参考展示に留まっていた。
同社は人口の多い台湾北部で事業者免許を取得しており、年明けには首都台北市や国際空港のある桃園市などにサービスエリアを拡大予定である。またVoIPや動画配信、オンラインゲームなどインターネット接続以外のサービスも今後展開する予定とのことである。