Eee PCの新製品としてアピールされた「Eee PC Seashell」(Eee PC 1008HA)

ASUSTeK Computerは、「COMPUTEX TAIPEI 2009」初日に開催したプレスカンファレンスにおいて、薄型ノートPCの新製品を発表した。

ミニノート「Eee PC」の新製品として紹介されたのは、既に報道発表されている「Eee PC 1008HA」と、その普及価格版にあたる「Eee PC 1005HA」の2機種。1008HAは、「Eee PC Seashell」のサブネームが付けられた10.1型ワイドの薄型製品で、新設計マザーボードの採用により160GBのHDDを内蔵しながら最薄部18mm(最厚部25.7mm)のボディを実現。加えて、タッチパッドはマルチタッチをサポートしたといい、Windows 7に搭載される「Windows Touch」機能への対応も期待される。

手前に向けて薄くなる新デザインのボディで、10.1型モデルとしてはスリムな印象。Atom N280、メモリ1GB、HDD 160GB、802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth、130万画素Webカメラなどを搭載する

各種端子類はカバーの中に設けられている。ディスプレイ出力は変換コネクタを介する

1005HAは、1008HAとスペックはほぼ共通だが、ボディは最薄部25.9mm(最厚部36.5mm)と厚みが増している。その分価格が安く設定されるほか、3ポートのUSB(1008HAは2ポート)が利用できる。また、重量は6セルバッテリー搭載時でも1.27kgと、現行のEee PC 1000H/HEシリーズ(1.45kg)より軽くなっている。

普及価格版の1005HA。キーボード左上のボタンはタッチパッドのON/OFFに割り当てられていた

ディスプレイ出力は通常のD-Sub15ピンコネクタをそのまま接続できる。USBは3ポート

いずれも近日中の出荷開始が予定されているが、日本市場での発売は未定。価格についてはアナウンスされていないが、従来製品からの流れで言えば、1008HAが5万円台前半、1005HAが4万円台後半の価格帯に相当するモデルの模様。

また、Intelの一般消費者向け超低電圧(CULV)CPU「Pentium SU2700」(1.3GHz・シングルコア)を搭載する薄型ノートPCとして、「UX50V」「U20A」などが発表された。今年3月の「CeBIT 2009」で同社ノートPCの新製品としてその外観が公開されていたモデルだが、COMPUTEXでは仕様を含む正式発表となった。

UX50V

U20A

UX50Vは、15.5型ワイド液晶を搭載した最薄部18.6mm(最厚部28.6mm)・重量2.6kgの薄型ノートPC。チップセットはGS45だが、グラフィック機能としてGeForce G 105M(VRAM 512MB)を搭載しており、HDDは最大500GB(2.5インチ)を選択可能と、一定のパフォーマンスが要求される用途にも対応できる仕様となっている。U20Aは12.1型で、DVDスーパーマルチドライブも内蔵する。Uシリーズも価格は案内されていないが、ネットブックよりは高価格だが、従来のモバイルノートよりは安いレンジの商品として展開される見込み。なおUX50V、U20AともCore 2 Duo/Soloを搭載するモデルも用意される。

ASUSTeK Computer会長のJonney Shih氏

同社のJonney Shih会長は、カンファレンスの席上で「ASUSはイノベーションを生むために引き続き最大限の努力をする。そして、加えて重要となるのがPerfection(完成度)だ」とコメントし、プレゼンテーションの中で"Perfection"という言葉を何度も強調。Uシリーズの新型ノートPCは、薄さとデザインの美しさに注力しながら、性能面での妥協もしておらず「我々がトータルエンジニアリングを得意とすることがよく表れている製品だ」とアピールした。

なお、COMPUTEX会場に隣接するホテルではQualcommがプライベートブースを設けて新製品の展示を行っており、そこでは同社のARMアーキテクチャCPU「Snapdragon」を搭載し、OSとしてAndroidが動作するEee PCの試作機が公開されている。この製品について報道陣から問われたShih会長は「今回、ASUSブースでのAndroid版Eee PCの展示は行わない」と述べるにとどめ、この機種の詳細についてはコメントを避けている。

Qualcommのプライベートブースで展示されているAndroid版のEee PC。この展示自体は技術デモンストレーションであり、今後の商品化等については一切未定とされている