米AMDは2日、45nm世代のプロセスルールに基づくデスクトップ向けAM3 CPUの新シリーズとして「AMD Athlon II X2」を発表した。3.0GHz動作の「Athlon II X2 250」をラインナップする。あわせて同社は、Phenom IIにおいて、省電力版や廉価版など複数の新モデルの追加を発表している。

今回発表されたCPU製品は、「Athlon II X2 250」、「Phenom II X2 550 Black Edition」、「Phenom II X4 905e」、「Phenom II X3 705e」の計4モデル。いずれもAM3パッケージのCPUで、下位互換によりSocket AM2のマザーボードでも利用できる。4モデルともリテール製品の日本国内での販売開始は今週末が見込まれる。

Athlon II X2 250

Athlon II X2 250は、同社初の45nm世代デュアルコア・プロセッサとされ、コストの低さが魅力。1,000個ロッド時の単価は87ドルで、リテール製品の日本国内での予想価格は9,500円前後。

動作周波数は3.0GHz、キャッシュはL1が256KB(128KB(inst64KB+data64KB)×2)、L2が2MB(1MB×2)、HyperTransportは4GHz(双方向)、対応メモリはDDR3-1066/DDR2-800。製造プロセスは45nm SOIで、トランジスタ数は2億3,400万、ダイサイズは117.5平方mm。コアのRevisionはC2。コア電圧は0.85-1.425Vで、最大温度は72℃、TDPは65W。

「Athlon II X2」のダイ写真

Phenom II X2 550 Black Edition

Phenom II X2 550 Black Editionは、Phenom初のデュアルコア・プロセッサ。「Black Edition」のモデル名があらわす通り、倍率ロックが外されている。1,000個ロッド時の単価は102ドルで、リテール製品の日本国内での予想価格は11,000円前後。

動作周波数は3.1GHz、キャッシュはL1が256KB(128KB(inst64KB+data64KB)×2)、L2が1MB(512KB×2)、L3が6MB(共有)、HyperTransportは4GHz(双方向)、対応メモリはDDR3-1333/DDR2-1066。製造プロセスは45nm SOIで、トランジスタ数は7億5,800万、ダイサイズは258平方mm。コアのRevisionはC2。コア電圧は0.85-1.425Vで、最大温度は70℃、TDPは80W。

Phenom II X4 905e

Phenom II X4 905eは、クアッドコアPhenom IIの省電力版。1,000個ロッド時の単価は195ドルで、リテール製品の日本国内での予想価格は21,000円前後。

動作周波数は2.5GHz、キャッシュはL1が512KB(128KB(inst64KB+data64KB)×4)、L2が2MB(512KB×4)、L3が6MB(共有)、HyperTransportは4GHz(双方向)、対応メモリはDDR3-1333/DDR2-1066。製造プロセスは45nm SOIで、トランジスタ数は7億5,800万、ダイサイズは258平方mm。コアのRevisionはC2。コア電圧は0.825-1.25Vで、最大温度は70℃、TDPは65W。

Phenom II X3 705e

Phenom II X3 705eは、トリプルコアPhenom IIの省電力版。1,000個ロッド時の単価は125ドルで、リテール製品の日本国内での予想価格は13,000円前後。

動作周波数は2.5GHz、キャッシュはL1が384KB(128KB(inst64KB+data64KB)×3)、L2が1.5MB(512KB×3)、L3が6MB(共有)、HyperTransportは4GHz(双方向)、対応メモリはDDR3-1333/DDR2-1066。製造プロセスは45nm SOIで、トランジスタ数は7億5,800万、ダイサイズは258平方mm。コアのRevisionはC2。コア電圧は0.80-1.25Vで、最大温度は72℃、TDPは65W。

その他のモデルも

また、今回の同社リリースでは特に触れられていないため価格など詳細は不明だが、「Phenom II X2 545」、「Phenom II X3 700e」、「Phenom II X4 900e」の3モデルも製品ラインナップに追加されている。

同社公開の仕様表によれば、Phenom II X2 545は、動作周波数が3GHz、コア電圧が0.875-1.425Vである以外の基本仕様はPhenom II X2 550と同様。Phenom II X4 900eは、動作周波数が2.4GHz、コア電圧が0.85-1.25Vである以外の基本仕様はPhenom II X4 905eと同様。Phenom II X3 700eは、動作周波数が2.4GHz、コア電圧が0.825-1.25Vである以外の基本仕様はPhenom II X3 705eと同様。

さらに、日本AMDからのアナウンスとして、「Phenom II X4 945」の改良版の投入も発表されている。モデル名が同一のため少しわかりづらいが、従来のPhenom II X4 945では125WだったTDPを、95Wまで引き下げた製品とされている。

このTDP95W版Phenom II X4 945は、6月12日よりリテール製品の日本国内での店頭販売を開始する予定で、予想価格は23,000円前後。なお、125W版の945は5月28日より数量限定という扱いでリテール販売が始まっていたそうで、今後は95W版に置き換わっていくものと思われる。