新田次郎の同名小説を映画化した『劒岳 点の記』(木村大作監督)の完成披露会見が、1日、都内で開かれ、浅野忠信、香川照之、松田龍平らが出席。同日に開催された試写会では、宮崎あおいも舞台挨拶に登壇した。
100年前の実話をもとに製作された本作は、当時の測量隊が辿ったコースを忠実に再現するなどリアリズムを求め、木村監督からは厳しい注文が次々に出されたという。出演者からは、「9時間歩いたのに、木村監督がカメラをのぞきながら、『この場所はよくないな』と言った時、自分は何のためにここまで来たんだろうと思いました(笑)」(浅野)、「朝から豪雨で、監督も『100%撮影はありません!』と宣言したのに、夕焼けが見えた途端、『撮影だ!』と言い出して……」(香川)など、過酷な撮影をうかがわせるエピソードが続出。
山岳ロケで行動をともにした浅野と香川は、「15回以上裸を見ました」(香川)、「プライベートなことも全部話しました」(浅野)と、お互いをさらけ出すほどの関係を築いたそう。「今後、香川さんとコンビが組める刑事モノがありましたら、ぜひお願いします」と浅野が懇願すると、「ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズみたいなコンビで!(笑)」と香川。息の合ったやり取りで笑いを誘った。
続いて行われた試写会では、宮崎が、「私は山に登っていないので、申し訳ないという思いもあります。でも素晴らしい作品ができ、自分が関われたことを嬉しく思っています」と挨拶した。撮影中の木村監督の印象を聞かれると、男性キャストとは対照的に、「すごく優しい人でした。それにカメラをのぞく時の横顔が、いまでも忘れられないくらいかっこよかったです」とのコメントが。
これを受けて監督が、「宮崎さんは僕の話を聞く時、つぶらな瞳でじっと見つめるんですよ。『ドキドキするのであんまり見つめないでください』と言ってしまうほど (笑)」と話すと、浅野も、「宮崎さんと一緒の日は髭を剃って来ました。山では身だしなみなんて気にしなかったのに……」。両者とも、宮崎の魅力にすっかり癒された様子だった。
本作は映画界を代表する名カメラマン・木村大作氏(左端)の初監督作品。舞台挨拶の最後には、「この作品を見て、必ずなにかを感じていただけると自信を持っています。ぜひ応援してください」とオフマイクで宣言した |
『劒岳 点の記』は、6月20日より全国ロードショー。