東京都板橋区は6月1日より、保育園や幼稚園で子どもが急に発熱した場合に、保護者に代わって看護師がタクシーで送迎するサービスを開始する。対象は板橋区内在住の1歳~就学前の幼児としている。

同サービスは、保育園などから子どもの体調不良の連絡を受けた保護者が区が委託した医療機関に申請すると、仕事を抜けられない保護者に代わって看護師が園児を迎えに行くというもの。その後、園児はそのまま医療機関で診察を受け、保育室で18時まで保育サービスを受けることができる。

利用料金は、病児・病後児保育の費用1日1,500円の他に、タクシー代、子どもの食事代などの実費のみ。サービス開始時の実施医療機関は板橋区医師会病院で、1日あたり受け入れ可能な人数は6名。スタッフは看護師2名、保育士3名で対応するとのこと。年度内に、帝京大医学部付属病院にも開設される予定だ。

現在、発病後回復期にある子どもを保育する"病児・病後児保育"と呼ばれるサービスを導入する自治体は多い。しかし、仕事を持つ保護者の間では「翌日はなんとかなるにしても、困るのは当日。急には調整できない」というのが本音。今回のサービスはこうした声に応えるもので、送迎までを行うサービスは全国的にも珍しく、都内では初の試みとしている。保護者からは「自治体が主体となり支援しているため、ベビーシッターなど民間のサービスを利用するよりは格安な上、病院と提携するので安心」という歓迎の声が多く上がっている。