ダンクソフトは5月12日、Microsoft Dynamics CRMをベースに月額8,000円/ユーザー(税別)で利用できる中堅・中小企業向けのSaaS型CRMソリューション「Digiterior CRM」を提供開始した。今回は同社のセミナーをベースに、新サービスの狙いについてレポートする。
最初のシステムはイベント管理向け
同社がDynamics CRMを利用した最初のシステムは、3.0で構築した経営者団体向けのイベント管理だ。これはCRMに登録したイベント情報などをそのままWebに表示するとともに案内メールを送信でき、案内メールを受け取った会員は参加申込や登録内容の確認・訂正がメールで行えるというものだ。さらに、WebからCRMへのデータ登録や、申込状況・審査履歴・請求業務の一元管理も実現した。
そして、その後同社は利益管理システム「利益かんり」をDynamics CRM 4.0で構築している。Dynamics CRMは本来、販売やマーケティング、入金回収など顧客とのコンタクト機能のみを備えるが、同社はここに仕入、支払、経費という利益を可視化する機能を追加し、社内のキャッシュレス/ペーパーレス化に成功した。星野晃一郎代表取締役社長はその効果を「間接部門の人員はほぼゼロになり、意思決定のスピードも圧倒的に向上しました」と語る。
利益の可視化・コスト抑制には人脈情報がカギ
中小企業もシステム化に取り組んではいるが、なかなか成功には結び付かないのが実情だ。星野氏は「経済状況が厳しさを増す中、今後は大きく売上を伸ばすのは難しくなるでしょう」とし、システム化のポイントはいかにコストを抑えるかにかかっていると力説する。「システム化できる部分はシステム化し、クリエイティブな部分に時間をかけることが成功の秘訣です」(星野氏)。
また「利益を可視化するには、人脈情報を押さえることが重要です」と指摘する星野氏は、Dynamics CRMのメリットを「人中心の管理であるDynamics CRMは、顧客中心のプラットフォームに適しています」と語る。