既報の通りKDDIは、au携帯電話の2009年夏モデルとして13機種を5月29日から順次提供していく。これまで通り、「ユーザーのライフスタイルを創造し、アンビエント社会を実現する」(小野寺正社長)という目標を掲げ、今夏のテーマを「去年と違う夏。」と設定している。
今回、auがリリースする夏モデルは8機種。それに、新ブランド「iida」の4機種、法人向け1機種を加えた計13機種を夏モデルとして設定している。すでに夏モデルを発表したNTTドコモ、ソフトバンクモバイルと比べると端末数は少ないが、小野寺社長は、「デザイン・外観が違って中身が同じだと意味がない」と指摘。「時代を先取りした新しい取り組みにチャレンジ」(同)した端末を出すことで「新しいニーズを開拓することが重要」(同)との認識を示す。
その新しいニーズの開拓を狙ったのが「ブックケータイ biblio」「防水スポーツケータイ Sportio water beat」「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」「SOLOAR PHONE SH002」の4機種だ。高橋誠コンシューマ商品統括本部長は、「他社よりも先に行く特色のある機種」と胸を張る。
「biblio」は、読書機能に主眼をおいた携帯で、7GBのメモリを内蔵し、最大約5,000冊という大量の電子書籍を持ち歩けるという点が大きなポイントだ。約3.5インチ振るワイドVGA++(480×960ドット)という大画面・高精細液晶を搭載しており、タッチパネルによって電子書籍が見やすく、別売の「biblioケータイケース」を使えば、ブックカバーをつけた書籍を読むように、電子書籍の閲覧が可能になる。
19辞書という「国内最大級」(高橋氏)の電子辞書コンテンツも内蔵。液晶をスライドさせて現れるQWERTYキーボードも備え、テキスト入力を行いやすくした。
携帯向け電子書籍市場は、右肩上がりに伸びており、さらに強化していきたい考えで、ブックカバーのようなケータイケースを含めて、「ライフスタイルに溶け込むようなケータイ」(同)として訴求していく。
au Smart Sportsでスポーツに力を入れるauでは、今回、タッチパネル・防水機能搭載の「Sportio water beat」を発売。防水性能はIPX5/7で、国内初というフルタッチスタイル対応の3.0インチフルワイドVGA液晶を搭載した。
タニタの体組成計とBluetooth経由で連携する機能や、au Smart Sportsの新サービス「Fitness」「Golf」にも対応し、同社では「新たなスポーツを提案する」(同)と意気込む。
「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」は、国内で初めて、HD(1280×720)・30fpsでの動画撮影に対応した端末。光学3倍ズームレンズ、音声ズーム、高画質エンジン「Picture Master for Mobile」、動画手ブレ補正、顔検出AF、コンティニュアスAFなど、ビデオカメラ並みの機能を備えた。高橋氏は、「ついにケータイムービーは本格ハイビジョンになった」と自信を見せる。
さらに世界で初めてというHDMI端子の搭載により、薄型テレビに接続してHD映像をテレビで表示できるほか、テレビのリモコンを使った再生操作も可能となっている。
ドコモ、ソフトバンクに引き続き、シャープのソーラー充電機能付き携帯「SOLAR PHONE SH002」も発売する。発表自体は後発となったが、発売は6月であり、他社に先駆けて発売することから「名実ともに日本で一番に届ける」(同)ということだ。
晴天下で10分間の充電で1分間の通話・2時間の待受が可能で防水機能を備えるなど、機能的には他社と変わりはない。高橋氏によれば、ユーザーの79.8%がバッテリーの持ち時間を重視しており、手軽に充電でき、エコロジーにもなるというSH002のメリットを訴求している。
同社では、これら4機種を、「去年と違う夏。を特徴付けた端末」(同)と位置づけており、力を入れて販売していく考えだ。「国内初、世界初という商品をそろえ、新しいライフスタイルを届けたい」と高橋氏は話し、「他社の先を行く商品」と自信を見せる。
小野寺社長も、「お客様の生活を去年と違うすてきなものに、ワクワクしたものにしたい」と意気込み、新しい料金プランや新サービスも加え、「きっと満足いただけると思う」としている。