日本ビクターは21日、「Everio(エブリオ)」の新シリーズ「Everio X(エブリオ エックス)」より「GZ-X900」を発表した。発売は6月上旬を予定しており、価格はオープン。市場価格は12万円前後と予想される。

コンパクトな筐体に、デジタルハイビジョンムービーとデジタルカメラの機能を詰め込んだ「GZ-X900」

GZ-X900は、デジタルカメラ並みの静止画撮影機能と、AVCHD規格のデジタルハイビジョンムービーの機能とを両立させたモデル。デジタルカメラとハイビジョンムービーとでは、求められる機能が異なるため、使われている光学系や映像処理回路なども、それぞれ異なった性格を持っている。

そのため、従来のデジタルカメラに搭載されている動画撮影機能は「動画も撮影できる」といったレベルでしかなく、また、デジタルハイビジョンムービーに搭載されている静止画撮影機能も、専用のデジタルカメラに比べると、低いレベルのものが多かった。同社によると、動画と静止画の両方を撮影したい場合、ビデオカメラとデジタルカメラの両方を持ち歩くというケースが多かったとのことだ。

製品のサイズは、少し大きめのコンパクトデジカメといった感じだ

GZ-X900は、これを1台でカバーしようという製品。1/2.33型(1029万画素)という、家庭用のムービーとしては、かなり大きいサイズのCMOSセンサーや、RGBフィルターにベイヤー配列を採用するなど、コンパクトタイプのデジタルカメラに近い構造を持つ。撮影可能な静止画は、最大896万画素(3456×2592)で、これを画素補間などを行わずに実現している。

また、ムービーの撮影でも、このCMOSセンサーと新開発された映像エンジン「HDギガブリッドPremium II」により、解像度1000本という、高い水準を実現している。また、最大600fpsのハイスピード動画撮影をサポートするほか、静止画撮影では高速連写などもサポートされる(最大9Mピクセル、0.067秒間隔で連続6コマ)。静止画の連写機能は、動画撮影時にもそのまま実行させることが可能だ(最大5.3Mピクセル、0.017秒間隔で連続11コマまで)。

CEATEC JAPAN 2008で展示されていた試作機

こちらは、採用されなかった縦型スタイルの試作機

記録媒体は、SDHCカードで、32GBのメディアを使用した場合、最大で約14時間40分のフルハイビジョンムービーを撮影可能(EPモード)。また、AVCHDの最高ビットレートである24Mbpsでの撮影もサポートされている(24Mbpsモードを利用した場合、32BGのSDHCカードに、約2時間40分の撮影が可能)。

ちなみに、GZ-X900は、昨年秋に行われたCEATEC JAPAN 2008の同社ブースで、その試作機が展示されていた。ブースには、今回のGZ-X900に近い横型のものと、縦型のものと2種類が展示されていたのだが、同社によると、会場のアンケート結果などにより、横型のほうが評判良かったため、最終的に横型のスタイルを採用したとのことだ。

このほか主な仕様は、光学5倍ズームのコニカミノルタHDレンズ(F3.4~5.6)、最低被写体照度は12ルクス、液晶モニターは2.8型ワイド(20.7万画素)。本体サイズは37(W)×66(H)×124(D)mmで、重さは約250gとなっている。

発表会では、「GZ-X900」のイメージキャラクターを務める、タレントのベッキーさんも登場。同社取締役カムコーダー事業部長の堀伸生氏より、新モデルを手渡されていた