前編に続き、自分に有利になるよう離婚を計画的に進めるという"離活"(離婚活動の略)にまつわる5つの疑問について、「離婚110番」主宰で離婚カウンセラーの澁川良幸氏による残り2つの回答を紹介する。
【疑問4】離活中に多い悩みは?
澁川氏「これはなんといっても、相談できる相手がいないということです。自分の身内以外には、なかなか信用できず相談できません。とはいえ、自分の身内、特に親や兄弟には、心配をかけたくないという気持ちが先立ち相談しにくいのです。さらに、心療内科の医師には離婚のことはわからないし、弁護士に法律以外のことを相談しても良い顔をされず、独りで困ってしまいます。結果的に、誰にも相談できずに困り果ててしまった人たちが、私のところへたくさん来ています。
あなたの味方を100%完璧にしてくれる信用できる友人が1人でも2人でもいてくれて、相談できると随分気持ちが楽でしょうね。独りで離活をやり遂げるのはとても大変なので、味方を1人でも多く増やしておくことをお勧めします。
また、離活の期間が長くなってくると、「本当に今の自分の考えで良いのだろうか」と、何度も迷います。「このまま離婚へとステップアップしていっていいのか?」、「それとも、思いとどまるべきなのか?」……と。この点については、私は大いに思い悩んで良いと思います。なぜなら、そのための離活だからです。
結婚に堪え切れずにやみくもに家を飛び出し、衝動的に離婚してしまうのも、決して責められません。しかし、子どもなどの事情を踏まえ、悩みながらも数か月から数年の離活した後に、最良の結論を出すの方が良いでしょう。後であれもしておけば良かった、これもしておけば良かったという後悔をしないために、離婚準備としての離活を充分にしておくのは、後悔しない・損しない離婚のために有益だと思います」
【疑問5】離活の成功の秘訣とは?
澁川氏「これができれば離活の半分以上は成功したも同然と言えるのは、"強い意志"を持つことです。これが簡単そうで、かなり難しいことなのです。
要するに、『離婚すると完全に決心し、相手にわからないように水面下で着々と離活を進める』ということができれば、あとは方法論だけです。しかし、いざ離活を始めてみると、どうしても迷いの連続です。『相手にだまってこんなことしていいのか?』、『私のわがままではないか?』、『親が悲しむのではないか?』、『子どもに悪いのではないか?』、『本当に生活していけるのか?』、『私にやり遂げることができるのか?』などという思いに立ち止まります。
離婚意思が揺らぎ、中途半端に離活に取り組むと隙ができ、相手に知られてしまう確率が高まります。相手に知られると、離婚自体が難しくなるばかりか、逆襲され、不利な形で離婚されるという最悪な結果にもなりかねません。ここは、心を鬼にして水面下で進める覚悟を持つことです。本気にさえなれれば、離活で成功することは充分可能です!」
「離婚110番」主宰 澁川良幸(しぶかわ よしゆき)氏プロフィール
人材派遣会社、出版社、通信機器販売などを経て、調査業を営んできた経験とノウハウを基に、1992年に神奈川県横浜市に離婚カウンセリング&コンサルティングのプロ集団「離婚110番」を開設。その後、2006年に東京都渋谷区へ移転、現在に至る。離婚カウンセラーとして、あらゆる離婚及び家庭問題のカウンセリングやコンサルティング業務、悩み事・困り事の解決業務を行っている。これまでに相談実績は15,000件を超え、年間にして1,200件超の相談に対応。法律面や心理面のアドバイスはもちろん、経験による実践的な対応に定評があり、多数の相談者に感動を与えている。WEBサイトは「離婚110番」。