NTTドコモは19日、2009年夏モデルの発売に合わせて導入される新サービスを発表した。今回は、「使いやすさの向上を重視した」(山田隆持社長)形で端末を発表。それにともなって発表された新サービスも、大々的なものと言うよりも、使い勝手の向上を狙ったものだ。
対戦ゲームが簡単にできる「iアプリタッチ」
現在のiアプリでは、お互いの携帯電話をBluetoothで接続して対戦ゲームを楽しむことができる。ただ、それには2台の携帯を接続するペアリング作業が必要だったため、ゲーム自体も少なく、あまり普及していなかった。
これに対してドコモでは、新たに「iアプリタッチ」を新機種に導入。これは、おサイフケータイで使われるFeliCaチップ同士が通信を行い、Bluetoothのペアリング情報を交換することで、特別な設定を必要とせずに、携帯同士をタッチさせるだけでBluetooth接続ができるようにする、というものだ。
具体的にはゲームを起動し、接続を開始してからお互いの携帯のFeliCaチップの部分をタッチするだけ。通常は周囲のBluetooth機器を探索し、接続を行い、パスコードを入力して……という作業が必要だが、こうした作業も必要ない。すぐさまお互いの携帯がBluetoothで接続し、ゲームで対戦することができる。
新機種18機種の内、11機種が対応。まずは9つの対応ゲームがリリースされる。夏頃までには18の対応ゲームがリリースされる予定だ。
これによってかんたん二ゲームを楽しんでもらいたい考えだが、ゲーム以外の展開も考えられており、永田清人・執行役員プロダクト部長は「Bluetoothで接続した2人が一緒にデコメールを作成するアプリ」を紹介し、今後も新たな展開を検討していく考えを示している。
ブラウザと文字入力で使いやすさを向上
iモードサイトを閲覧するためのiモードブラウザと、PC向けメールを閲覧するためのフルブラウザを一体化させた。「フルブラウザのいいところをiモードブラウザに統合した」(永田氏)ということで、たとえiモードページのサイズを100KBから500KBに拡大し、よりリッチなコンテンツに対応したほか、iモードページ内へのFLV動画の埋め込み・再生やJavaScriptをサポート。
また、従来はiMenuを開く度に再読込をしていたが、キャッシュをすることですぐに表示される「即時起動」に対応。これまでは上下方向にしか動かせなかった十字キーで左右の移動も可能になるなど、「UIの心地よい感じを実現できるのではないか」(同)としている。ほかにもサイト内の文字コピー、タブブラウザ、WMV動画の閲覧、Cookie、Refererといった機能にも対応した。
iMenuのリニューアルも行い、RSSとオンラインブックマークを表示できる「マイニュース・マイリンク」も提供。13機種が対応する。
長文入力などが面倒という声に応え、「UIにとって一つの決め手」(同)である音声入力機能を8機種に搭載。メールやクイック検索時に音声を使った文字入力が可能だ。音声入力時には、ドコモのサーバーと通信することで音声を認識し、その結果を文字として入力する。これまではらくらくホンでサポートしていた音声入力を通常モデルにも拡大した形だ。
iコンシェルも順調に拡大
これ以外にも、2in1の機能を向上させ、従来はWebメールのみだったBアドレスが、携帯電話本体で送受信できるようになったため、デコメール・添付ファイルの送信にも対応した。
GPS機能が海外でも使えるようになり、パケット通信が利用可能な141の国と地域でGPSを使ったナビゲーションサービスが利用できるようになった。
ほかにも、iアプリ内で個別課金ができるようになり、緊急速報「エリアメール」画機能向上し、マナーモード設定中でも個別に鳴動設定ができるようになった。
新サービス以外では、7.2MbpsのFOMAハイスピード対応機種を全機種で対応。iウィジェット、Bluetoothは13機種、iコンシェルは14機種へと拡大した。iコンシェルは、昨年11月の開始以来、4月までで100万契約を突破し、コンテンツ数も当初の172から291へと順調に拡大している。09年度中には380万契約突破が目標で、下期には位置情報と連動した機能を拡張したり、地域に密着した情報コンテンツの充実を図る考えだ。