5月12日と13日の2日間、横浜市のパシフィコ横浜で無線通信技術・研究開発の専門展示会「ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2009」が開催された。NTTドコモは同展示会で、LTEへの取り組みや、サラウンド音声伝送技術、3Dディスプレイ技術などを紹介した。
3.9世代の規格となるLTE(Long Term Evolution)の展示スペースでは、伝送速度100Mbpsの受信処理を実現する試作LSIのパッケージが展示されていた。この試作LSIは、LTEの要求条件である伝送速度100Mbpsの伝送時に40mW以下の消費電力、最大101.92Mbpsのスループットを実現したという。
このほか、加速度センサを利用した携帯型3Dディスプレイやモバイル向けサラウンド音声伝送技術も展示されていた。3Dディスプレイは液晶の上にレンチキュラーレンズを搭載することにより、8方向の視点画像を1枚の画像に合成して表示することができる。例えるなら、「8台のカメラを設置して作った映像を合成して1つの映像を作っているようなもの」(説明員)だという。これまで3D表示は、どの角度から見ても同じ映像しか見えなかったが、見る角度によって映像の見え方が変化する3D表示が可能になった。ただし、実写の映像は再現できないという。
また、加速度センサと組み合わせることで、3D映像もリアルに動かすことができるディスプレイも展示されていた。ディスプレイを動かす(傾ける)と、ボールの3D映像を傾きに合わせて動かすことができる。
モバイルサラウンド音声伝送技術の展示スペースでは、複数の音声を任意の方向に設定することで、音声チャットや電話会議による複数人数の音声を聞き取りやすく再生できる技術を紹介していた。現段階では7方向までの設定が可能で、個別に音量設定の変更もできるという。
このほか、メールで送信された画像やテキスト、動画(iモーション)を表示させることができるデジタルフォトフレームデバイスの「思い出フレーム」も展示されていた。本体には、パケット専用モジュールとアンテナが搭載されており、専用サーバを介して受信したメールの表示のほか、ボイスメールを送信することができる。
(2106bpm/K-MAX)