ある結婚適齢期の草食男子を主人公に、「積極性を身につけるために必要なこと」をご紹介する本企画。異性との会話が苦手でも、避けてばかりいては上達しません。4回目となる今回は、主人公が美容室で女性との会話を一から学びます。

監修 : 結婚相談所シャルウィ 代表カウンセラー 伊藤小百合さん

1974年4月生まれ。アメリカ留学後に英会話講師、ホテルのフロント業を経て、人のお世話をする仕事に就きたいという思いが強くなり、2005年5月に結婚カウンセラーの資格を取得。2008年4月には神奈川県横浜市に結婚相談所「シャルウィ」を開設した。全国に1,000支部以上を持つ日本ブライダル連盟加盟。男性と女性の専任カウンセラーがそれぞれおり、お見合いやパーティー、オリジナルのセミナーなど様々な婚活方法で成婚までをプロデュースしている。ホームページは「結婚相談所シャルウィ」。

【Vol.4 】美容室を利用する


同僚の春子から今朝、「いつも行っている美容室のアシスタントの女の子が、男性のカットモデルを探してるんだけど、どう?」と声を掛けられ、「モデルなんて僕は……」と口ごもっているうちに話は進んで、結果、今夜行く事に。

約束の時間に美容室へ行くと、店内にはファッション誌で見るようなお洒落なスタッフやお客ばかり。僕を練習台(?)にするスタッフの女の子も、もちろん可愛い。ヘアースタイルの希望について細かく好みを聞かれたが、流行も知らないし「お任せします」の一言を返すのが精一杯。鏡に映る僕は、すっかり緊張で顔が強張っていた……。

■結婚カウンセラーからのアドバイス

今では男性の約3割は美容室を利用しているといいます。理容室利用者が圧倒的に多いですが、今回は消極的なあなたに会話力アップのため、慣れ親しんだ理容室の店主から離れて、美容室に行ってみることをお勧めします。美容室など女性に近い空間に身を置く事で、客観的に男性としての自分を見る事もできるし、女性の気持ちを考える参考にもなるでしょう。

シャンプーをされている間、出身地や趣味などの質問を矢継ぎ早にされたが、顔にガーゼを掛けられていて目が合わない分、なんとか気楽に会話ができた。しかし、席に戻って鏡越しに面と向かうと、また相槌を打つだけの僕に逆戻り。沈黙状態のままカットが進んでいった。「スポーツは何かしますか?」と聞かれ、「僕は全然(苦笑)。女性の間ではランニングが流行っているようですね」とようやく自分なりに膨らませて返答したが、「最近よく見かけますね。でも、私はサイクリング派です」の後には続くことができなかった。春子の時のようにランニング話だけでは盛り上がらず、僕の会話のレパートリーの少なさを痛感した。とはいえ、人に髪を切ってもらうのは心地良く、某俳優っぽくすら見えてきた自分の変身ぶりに「僕じゃないみたいです」と嬉しくて口に出すと、相手はとても喜んでくれた。

■結婚カウンセラーからのアドバイス

知人のエステティシャンに、お客様は肌と肌が触れ合うとリラックス効果により、色々とプライベートの話もするのだと聞いた事があります。リラックスしている状態になれば、何でも話すことができ、自然と信頼感が生まれるのかもしれませんね。

そして、誰もが話をする上で一番盛り上がるのは、興味がある話題です。しかし、会話が苦手な人というのは、自分が興味のある話題で相手が盛り上がるのか「不安」になり、考えているうちに「緊張」してしまうでしょう。会話が上手な人は、話題の豊富さで色々切り替えながら会話を盛り上げていくことができます。

インターネットは話題性の大きな情報が頻繁にアップされており、今や話題を集める最適のアイテムです。話題性という意味では、美容室には様々なお客様が来る場所なので、参考になる話題も入ってくるでしょう。さらに、女性客が大半なので、女性目線の話題も持ち上がり、また違うところで活用できそうですね。見た事や聞いた事を話すだけで相手が乗ってくれたなら、自分の気分も上がり「緊張」や「不安」なく楽に会話ができるようになります。