海上自衛隊は20日、新しい砕氷艦「しらせ」の引渡式および自衛艦旗授与式を行う。同式典は招待制だが、南極への出港する11月を前にして、5月30日と31日に横須賀で、7月25日と26日には横浜で一般公開も予定されている。
今回引き渡される「しらせ」は、2008年に老朽化のため退役した旧「しらせ」の後継艦。防衛省海上自衛隊所属の砕氷艦として、南極地域観測隊の交代における人や物資の輸送を行う。2008年4月に進水式が行われ、その後配線や内装の工事、各種調整などがされていたもので、20日に建造したユニバーサル造船から海上自衛隊に引き渡される。
引渡式と自衛艦旗授与式はユニバーサル造船舞鶴営業所(京都府舞鶴市)で正午から行われ、15時から出港見送りの予定。招待制のため一般参加はできない。
一般公開は、5月30日と31日に海上自衛隊横須賀地方総監部で行われる予定。また7月25日と26日には横浜開港150周年記念事業「海フェスタよこはま2009」の一環として、横浜港大桟橋にて公開される。
先代より一回り大きくなった「しらせ」は全長138メートル、幅28メートル。基準排水量は約1万2,500トン。乗船できる観測隊員の数は60名から80名に、物資の輸送量も1,000トンから1,100トンに増えた。氷海航行性能の向上に加え、燃費低減と省力化を実現し環境に配慮したエコ・シップとのこと。20日の引渡し後は海上自衛隊横須賀基地に配備され、出港準備や隊員の習熟訓練を経て11月に南極へ向かう。