第二次世界大戦末期を舞台に、日本海軍の潜水艦と米国海軍駆逐艦の戦いを描く『真夏のオリオン』。12日に東京国際フォーラムで完成披露試写会が行われ、玉木宏、北川景子、堂珍嘉邦(CHEMISTRY)らが登壇した。
本作の主人公で、イ-77潜水艦艦長の倉本を演じる玉木は、撮影を振り返り、「倉本孝行は素晴らしい人間で、撮影の間もこの人物に追いつきたいと思い、必死に演じました」。 倉本の親友・有沢を演じる堂珍は、これが映画初出演。「クリエイティブな活動をする上で、『NO』ではなく『YES』から入ることで、作品にも奇跡を生むのでは……そんな気持ちに変わった時、このお話をいただきました。有沢は自分とはかけ離れた部分もあるけど、演じてみて勉強になったし、ここで学んだことを歌に返していきたいと思います」。MCから、「映画は楽しいですか?」と聞かれると、「楽しいですね。ぜひまた挑戦したいと思います」とコメントした。
北川が演じるのは、64年前に「真夏のオリオン」を作曲した女性と、現代でその楽譜を受け取り、存在理由を探す女性の二役。「初めて脚本を読んだ時、自分自身の戦争への先入観やイメージが一気に崩れたような気がします。倉本艦長をはじめ搭乗員たちの、『最後まで全員で生きて帰るんだ』という前向きな気持ちを軸に描かれ、いままでとは違う戦争映画という印象を持ちました」。
この日は、玉木、堂珍、北川のほかにも、平岡祐太、益岡徹、吉田栄作、吹越満など豪華な顔ぶれ。そんな中、1人だけ異彩を放っていたのが、イ-77潜水艦烹炊長役のドランクドラゴン・鈴木拓。「皆さん『バーター』ってわかりますか? 普段は抱き合わせで出ることが多いのに、今回はなんとピンです! よくぞ僕という"逸材"を見つけてくれました」と話すと、観客からも笑いが。しかし、その後ものらりくらりとトークを続ける鈴木に、「時間がないので先に行きましょう(笑)」と玉木に遮られてしまい、「すみませんでした」と謝る一幕もあった。
最後は玉木が挨拶。「僕が演じた倉本にはモデルとなった人物がいて、当時を知る関係者からお話をうかがいました。映画ができた後、その方から『ありがとうございます』との言葉をいただきました。僕にとっても嬉しかったし、その言葉こそこの映画のすべてだと思っています。戦争映画には違いないけど、見終わった後には生きる活力を得られ、未来に向けて光が見える作品になったと思います」と語り、出演者ら全員による敬礼で舞台挨拶を締めくくった。
『真夏のオリオン』は、6月13日より全国東宝系にてロードショー。