パイオニアは11日、AVマルチチャンネルアンプの新製品「VSA-1019AH」「VSA-919AH」「VSX-819H」を発表した。発売は6月中旬を予定しており、価格はVSA-1019AHが10万5,000円、VSA-919AHが8万2,000円、VSX-819Hが6万2,000円となっている。VSA-1019AHはVSA-1018AHの、VSA-919AHはVSX-918Vの、FSX-819HはVSX-518Vの、それぞれ後継モデルとなる。
ただし、後継モデルとは言ってもその構成はかなり変化している。まず、従来機種では、VSX-918V/518Vが5.1ch構成であったのに対し、今回はVSX-819H以外は7.1ch構成を採用。また、VSX-918V/518Vでは非搭載であったドルビーTrueHD/DTS-HDマスターオーディオなどのデコーダーは、全機種に搭載される。
VSA-1019AH/919AHでは、PQLS 2chオーディオも搭載される。PQLSとは、対応するBDプレーヤーやCDプレーヤーなどとAVアンプとをHDMIケーブルで接続した際に、プレーヤーが、AVアンプ側のマスタークロックを使用することでジッターの発生を抑えるという機能。4月に発表されたBDプレーヤー「BDP-LX52」では、マルチチャンネル音声信号に対応する「PQLSマルチサラウンド」が搭載されていたが、今回発表されたモデルに搭載されているPQLS 2chオーディオは、音楽CDの再生時にのみ効果を発揮するというものだ(PQLS 2chオーディオ対応の機器とPQLSマルチサラウンド対応の機器を接続した場合、PQLS 2chオーディオとして動作する)。なお、同社によると、今回発表されたPQLS 2ch搭載モデルの、PQLSマルチサラウンドへのアップデートのようなサービスは、考えていないとのことだ。
搭載されるアンプの実用最大出力は、VSA-1019AH/919AHが、各ch170W(6Ω)、VSX-819Hが各ch160W(6Ω)。スピーカーの自動セッティングを行う「Advanced MCACC」(VSA-819HはMCACC)や、マルチチャンネル再生時に低域の遅れを補正する「フェイズコントロール技術」、圧縮音楽の音質を改善する「アドバンスド・サウンドレトリバー」(VSA-1019AH/919Ahではマルチチャンネル音声にも対応)など、同社のAVマルチチャンネルアンプではおなじみとなっている機能ももちろん搭載される。
ビデオ面でも、大きな変更がなされている。従来機では、HDMI端子は、入力2系統/出力1系統で、スケーラーも搭載されていなかった。新ラインナップでは、VSA-1019AHが4入力/1出力、VSA-919AHとVSX-819Hでも3入力/1出力のHDMI端子を装備するようになった。また、VSA-1019AHでは、アンカーベイテクノロジー製のビデオスケーラーを搭載。480iから1080pへのアップスケールも可能としている(VSA-919AHでは、アナログ端子からの入力をHDMIへ出力するビデオコンバーターのみ搭載)。