左から戸田恵梨香、天海祐希、織田裕二、佐藤浩市

フジテレビ開局50周年記念映画『アマルフィ 女神の報酬』の制作発表記者会見が30日、都内で行われ、主演の織田裕二をはじめ、天海祐希、佐藤浩市、戸田恵梨香らキャスト陣が登壇した。

2年半前フジテレビの亀山千広エグゼクティブプロデューサーは、大ヒットドラマを数多く手がけてきた大多亮氏に、50周年という大きな節目に相応しい作品を企画するよう厳命。結果、完全オリジナル作品をフジテレビ生え抜きのスタッフの手で、そしてオールイタリアロケで敢行することに決定したという。ちなみに制作費は「フジテレビ映画史上最高額」(大多氏)。

イタリアでのテロ予告を受け、ローマに駐留中の外交官・黒田(織田裕二)の元に、邦人誘拐事件の一報が入る。失踪したのは母子でローマに旅行に来ていた矢上紗江子(天海祐希)の娘・まどか(大森絢音)。「邦人を守るのが自分の仕事」と自任する黒田は捜査権を持たぬ身分でありながら紗江子のために奔走し、次第に大使館内で孤立していく。やがて、単なる誘拐と思われたこの事件が、G8首脳、イタリア全土をも巻き込んだ大規模テロへと発展していく。

この役を演じるにあたり、監督から「目力を抜け」と言われたそう。「大人の男の優しさを出すために何度も『目に力入ってる』とダメを出されましたね」

正月返上の撮影中、お雑煮を作って振る舞ったという天海。「とても美味しかったです」と織田がコメントすると「今の発言太字でお願いします(笑)」と笑いを誘った

「50周年を飾るのはこの男しかいない」と、主演には最初から織田裕二を想定していたという大多氏。外交官・黒田康作を演じる織田は当初「なんて無謀な企画を」と感じたという。「オールイタリアロケで、イタリア語を喋れと。僕は"パスタ"ぐらいしかわからないのに(笑)。空いた時間はほとんどトレーニングに費やしましたね」。大多氏曰く、この黒田を「『踊る大捜査線』シリーズの青島刑事に続くキャラクターにしたい」ということで、早くもシリーズ化を視野に入れているとか。

大使館職員役の戸田は「イタリアと日本を3往復くらいしたんですが、イタリアに戻るたびに『ボンジョルノー』って言いながらスタッフたちと抱き合うのが"仲間"って感じで楽しかったです」

「海外ロケは大嫌いなんです」と開口一番不穏当な発言をした佐藤。「観光映画の枠を抜け出せないという印象だったんですが、この作品はさらに懐の深いところを見せてくれます」と出来に満足の様子

全編をイタリアで、しかも世界遺産や美術館の中でも撮影を行ったという本作。「イタリア人スタッフによると「旧ローマ市街で撮影をしようなんて思うヤツはいないよ。これほど撮りにくくて許可も下りないところで……」ということだったそうだが、これ以上ないほどの協力体勢のもと、スペイン広場でカースタントまで行ったという。「世界遺産の普段入れないところに入れていただいたのに、お芝居に集中していたのであまり記憶に残っていないのが残念です」(天海)。

主題歌「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を歌うのはサラ・ブライトマン。作中にも本人役で出演する。

監督は『容疑者Xの献身』の西谷弘(左端)。『ホワイトアウト』などで知られる真保裕一氏(右端)が原作を担当した

『アマルフィ 女神の報酬』は7月18日より全国ロードショー。また、スピンオフ第一弾として、NTTドコモの「ドコモ動画」にて『アマルフィ ビギンズ』を無料配信することが決定している。

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