レバレッジ規制の報道が流れて一夜明けた25日、「FXCMジャパンSpecialセミナーin東京」において、FXCMジャパン代表取締役会長兼社長の山内英貴氏は、レバレッジ規制の報道について言及した。

冒頭の挨拶で山内氏は、「業界にとっては非常に大きな出来事と認識」と位置づけ、「新聞記事は未確認の内容を多々含んでいるので、FXCMジャパンとして確たることを申し上げることはできないが、投資家の皆様にとっても関心のあること。簡単に整理をさせていただきたい」と冒頭で述べた。

FXを取り巻く状況について山内氏は「この1年程度でレバレッジがどんどん高くなったほか、スプレッドが(金融機関だけが参加できる)インターバンクより狭くなるといった、世界の中でも我が国特有だと思う現象が進んだ」と指摘。そうした状況に対し、何かしらの歯止めをかける必要があるのではないかという議論が、監督当局を含めて昨年以来から持ち上がっていたという。

今回の報道について山内氏は「事実としては、FX業者の監督機関である証券取引等監視委員会(SEC)が金融庁に対し、金融庁設置法第21条の規定に基づく建議を正式に出した」と説明。具体的には (1)顧客の資産は信託銀行等で分別管理するような方法で規制すべき、(2)ロスカットルールを制定させる、(3)FX取引にかかる適切な保証金の預託について(これがレバレッジの規制を指す)、(4)金融庁に登録をする際に虚偽の情報を提出して登録する業者が過去存在したことから、そういうことがないよう監督する-の4点。これに基づき「監督当局は今後、パブリックオピニオンとして公から広く意見を集めながら法令の制定に向けて着手する」という。法改正の時期については「早ければ9月という話もあるが、遅くとも年内になるのではないか」とした。

投資家への影響について、山内氏は「FXCMジャパンは、昨年6月に完全信託保全の仕組みを導入。また、ロスカットについても、必要な維持証拠金を割り込んだ場合はシステムで自動的に対応する仕組みを当初から導入している」と強調。ただし、レバレッジについては「正直どうなるかわからない。20~30倍という報道もあるが、これはまだ憶測の域を出ておらず、これについては業界の中で当局を含め議論が進んでいくことになろう」とした上で、「個人的見解ではあるが、(顧客にとっての)利便性がどうなのかという観点で議論がなされるべき。リスク管理については投資家の皆様が仕組みをよく理解し、うまく使っていただく分には、商品の仕組みとしての幅が大きいほうが使いやすいという面もあるので、上から目線で一律でやるのはどうなのか、という風に思わないではない」と語った。また、「商品性のありかたについて、何らかのご意見を私どもに限らず、当局サイドにもお寄せいただきたい」と投資家に呼びかけた。