最後に、DLPとはまったく関係ないが、米国の展示会らしいブースを見つけたので、紹介したい。

米国ではセキュリティ業界と政府の関係が密接な関係上、RSA Conferenceでも政府関係者による講演が多数行われている。今回ブースを構えていたのは、NSA(National Security Agency:アメリカ国家安全保障局)だ。NSAは米国国民の情報を保有していることから、国民から「人権侵害」と訴えられることもあるため、理解を求めるべく、こうした機会を利用して情報の開示を行っているようだ。

実際の建物を模したNSAのブース

今回のカンファレンスにちなんで、「Enigma」というドイツの機械式暗号機が展示されていた。Enigmaでは一文字ずつ暗号化が行われ、前面にあるキーボードを打つと、キーボードの上にある表示板に暗号化された文字が光る。

展示物ながらキーボードに触って暗号化を行うことができたEnigma

加えて、NSAが取り組んでいるITとして、「Virtualization」、「Attestation」、「Trusted Platform Module」、「Hypervisor」の紹介が行われていた。いずれも今では民生品として市場に出回っているが、初めは国家主導の技術だったのだ。

仮想化の利用例を示しているデモンストレーション

今回はDLP製品を中心に紹介したが、セキュリティSaaS、脆弱性管理、コンプライアンスマネジメントなど、さまざまな製品が展示されており、セキュリティ対策の幅広さを改めて思い知らされた。ちなみに、RSA Conferenceは日本でも6月に開催されるので、興味がある方は参加されるとよいだろう。