常盤薬品工業はこのほど、大阪大学美容医療学寄附講座と合同で実施した「美容外科診療価格実態調査」などの結果を発表した。調査の結果、多くの女性が「適正価格が分からない」といった理由から美容外科診療に不安を持っている通り、美容外科診療の価格は医療機関による価格差が数倍あり、料金の目安がわかりにくいことが明らかになった。

2007年12月に20代から60代の一般女性1,000人を対象に実施した「美容意識調査」の結果をみると、美容外科への不安として「料金が高い」と回答したのは64.8%。また「適正な料金が分からない」が56.4%となっており、料金に関する不安が上位を占めた。

この結果を受けて2008年12月には「美容外科診療価格調査」を実施。チェーン医療機関と開業医に分け、診療項目別にインターネットに掲載がある診療価格を比較。全国に5カ所以上の美容外科クリニックを展開する19の医療機関と日本美容外科学会役員名簿に掲載がある25人の開業医が調査対象となった。

美容外科診療5分類14項目の項目のうち、最低価格と最高価格の差が3倍以上あったのは10項目、5倍以上はチェーン医療機関の重瞼術(埋没法)、同じくチェーン医療機関のフェイスリフトなど4項目だった。最大の価格差は開業医の腋臭多汗症のその他の手術で7.4倍にもなっている。

美容外科手術のインターネット掲載価格調査結果--常盤薬品工業株式会社調べ

また、「美容医療クレームに関する調査」によると、国民生活センターへの美容医療に関する相談件数は2005年以降1,000件を超え、この10年で約3.4倍の急増。サービス別では「契約解約」、「役務品質」のクレームが多く、「価格料金」は3番目。サービス内容では、特に「包茎手術」「脱毛」「二重まぶた」に関する相談が多いという。「15万と記載されていたが、手術中に手術内容の変更を告げられ120万円を超える額を請求された」といった悪質なケースも目立っているとしている。

美容医療に関する相談件数の推移--常盤薬品工業株式会社調べ