ナナオは21日、同社としては初めてアスペクト比16:9のパネルを使った20型ワイド液晶ディスプレイ「FlexScan EV2023W-H」、23型ワイド「FlexScan EV2303W-T」の2製品を5月21日から発売すると発表した。特にビジネスユースを想定してコストパフォーマンスを追求した他、環境性能も高めた。価格はオープン価格だが、同社直販サイトでの直販価格はそれぞれ37,800円、44,800円。

20型VAパネル採用、解像度1,600×900の「FlexScan EV2023W-H」

23型TNパネル採用、解像度1,920×1,080の「FlexScan EV2303W-T」。両モデルとも本体カラーはセレーングレイ、ブラックの2色

中央の横長の部分が人感センサー「EcoView Sense」。その隣にあるのは輝度センサーで、周囲の明るさに応じて画面の輝度を自動調整する

新製品は両モデルとも、新たに本体前面に人感センサー「EcoView Sense」を搭載し、ユーザーが離れると自動的にパワーセーブにして消費電力を抑える機能を搭載。内部の板金を削減して薄型コンパクト化を実現した他、梱包箱も大幅に削減。ディスプレイに関する最新の国際規格「TCO Display 5.0」、米国の環境に関する評価基準である「EPEAT GOLD」に対応するなど、環境性能を高めた。

新搭載となる人感センサー「EcoView Sense」は、赤外線センサーを用いて、ユーザーがディスプレイ前にいるか、それとも離れているかを検出し、自動的にパワーセーブを行い、ユーザーが戻ってくると自動的に復帰する。ディスプレイとユーザーの距離を測り、デフォルトでは120cm以上離れると離籍したと判断する「距離判定」、ディスプレイ前にいたユーザーがいなくなると離籍したと判断する「ゆらぎ判定」、動きがないものを静物と判断し、イスや眠ってしまった人を除外して判定する「静物判定」という3つのアルゴリズムを駆使することで、精度の高い検出が可能になり、スムーズにパワーセーブの移行・復帰が行えるという。

EV2023W-Hには「FlexStand」、EV2303W-Tには「TriStand」という新設計のスタンドも採用。可動範囲が広くスムーズに動作し、軽量コンパクトな設計で、ワンタッチでディスプレイを取り外せるという特徴を備えている。特にFlexStandは、世界最大級という上下225mmの高さ調節が可能で、上方向に30度のチルト、左右各172度のスイーベル、縦回転といった機能を備えている。このため、ディスプレイをデスクに付けて見下ろすように画面を見ることができるようになるなど、可動範囲が広いことで作業の効率化が図れるという。

225mmという高い可動域を誇るFlexStand。動きもスムーズで、片手で上下できる

こちらはTriStand。上下の可動域は60mm、上方向のチルトは25度、左右のスイーベルは172度となっている

FlexStandは縦回転にも対応。画面の縦回転はグラフィックカードなどのユーティリティを使う

16:9の解像度を採用した点に関しては、HDコンテンツの普及による16:9ディスプレイの伸びに対応したものだが、今回の2製品に関してはコストを優先した結果だという。同社では今後、16:9のパネルを採用したディスプレイのラインナップ拡充を続けていくが、より縦の解像度が長い16:10のパネルを希望するユーザーもいるため、16:10のパネルも継続していく考え。

今回、「デザインとしてはフルモデルチェンジ」(同社)になるきょう体を採用。ゼロから設計を見直し、内部構造の見直しや板金を排除することなどによって大幅な軽量化を実現した。従来比では、20型で2.6kg減、23型で3kg減となり、厚さもそれぞれ20mm前後の薄型化を達成している。

板金を削減するなどしても強度は確保しており、従来と同等の耐久性を維持しているという。

両モデルとも、ガンマ特性や人感センサー精度を生産ラインで調整してから出荷している他、5年間の長期保証にも対応。コストパフォーマンスを求めながら、これまで通りの高品質を確保しているとしている。

主なスペックは、EV2023W-Hが解像度1,600×900の20型VAパネルを使用。最大輝度は250カンデラ / 平方メートル、コントラスト比は3000:1、応答速度(黒→白→黒)は25ms、視野角は上下左右178度。

EV2303W-Tは、解像度が1,920×1,080の23型TNパネルを採用。最大輝度は250カンデラ / 平方メートル、コントラスト比は1000:1、応答速度(同)は5ms、視野角は上下左右160度。

いずれも入出力端子はHDCP対応DVI-D、D-Sub 15ピン、ステレオミニジャック、ヘッドホン。アプリケーションに応じて表示モードを選択できる「FineCntrast」、省電力の度合いを画面に表示する「EcoView Index」、モノラルスピーカーなどを搭載する。

省電力だと緑が増える「EcoView Index

EcoView Senseはカスタマイズも可能。出荷時はオンになっている