米マカフィーは、「スパムメールと二酸化炭素排出量」と題する研究レポートを発表、スパムメールの送信、処理、フィルタリング等に使われる世界の年間エネルギーは、240万世帯が年間に使用する電力に相当するなどの調査結果を公表した。レポートは、同社Webサイトからダウンロードできる。

レポートは、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、日本、インド、メキシコ、スペイン、米国、イギリスなどでのスパムの作成、保存、閲覧、フィルタリングに消費されるエネルギー量を調査。結果は、330億キロワット時(kWh)にのぼり、240万世帯のエネルギー消費量に相当することが明らかになった。その他、レポートのおもな結果は以下のとおり。

  • スパムメール1通の平均的な温室効果ガス(二酸化炭素)排出量は0.3gです。これは、車で約3フィート(1m)走行するのに相当します。この数字を1年間のスパム送信量に換算すると、地球を車で160万周するのに相当します。
  • スパムに関連するエネルギー消費の大半(約80%)は、スパムを削除し、問題のない電子メール(誤検知)を検索するエンドユーザによるものです。スパムのフィルタリングは、スパム関連のエネルギー使用の16%に過ぎません。
  • スパムのフィルタリングにより、年間135TWhの電気が節約されます。これは、1,300万台の車がなくなるのに相当します。
  • すべての受信トレイが最新のスパムフィルタで防護されれば、組織と個人で、現在のスパム関連のエネルギー使用量を75%、すなわち年間25TWh削減できます。これは、230万台の車がなくなるのに相当します。
  • 米国やインドなど、インターネット接続が普及し、利用者数の多い国では、電子メールユーザ1人当たりの排出量が比例して多くなる傾向がありました。たとえば、米国の排出量はスペインの38倍でした。
  • カナダ、中国、ブラジル、インド、米国、イギリスのスパム関連のエネルギー使用量はほぼ同じで、オーストラリア、ドイツ、フランス、メキシコ、スペインはこれらの国々よりも約10%少ないという傾向が見られました。スペインが最も少なく、スパムとして受信される電子メール、電子メールユーザ1人当たりのスパム関連のエネルギー使用量ともに最小でした。

なお、McAfee Avert Labs担当シニアバイスプレジデント ジェフ・グリーン(Jeff Green)氏は、今回のレポートの発表にあたり、以下のような声明を発している。

「世界が拡大する気候変動の問題に直面している中、今回の研究により、スパムが企業と個人に対して経済的、個別的、そして環境的に多大な影響を及ぼしていることが浮き彫りになりました。スパムを元から絶ち、最新のスパムフィルタリングテクノロジを導入することにより、時間とお金を節約すると同時に、二酸化炭素排出量を減らすことで、地球環境にも貢献できます」