さらにシャッターを押すタイミングも自動化できる。それがオートシャッターという機能だ。たとえば望遠で撮影しているとき、手ブレが気になったとしよう。このときオートシャッターの「ブレ検出」を選択すると、ブレが最もおさまったタイミングに自動でシャッターが切れる。同様に流し撮りをしている被写体がブレていない瞬間にシャッターが切れる「流し撮り検出」、被写体が笑顔になった瞬間にシャッターが切れる「スマイル検出」もあり、ちょっとハードルの高い撮影もカメラがしっかりアシストしてくれる。シャッターを半押しして露出やピントを合わせた後、シャッターを全押しすると撮影待機状態となるが、なかなか被写体が検出されずシャッターが切れないときは、そのままシャッターを強く押し込むことで強制的に撮影できる。

オートシャッター機能設定画面。スマイル検出をオンにすると笑顔になった瞬間に自動でシャッターが切れる

そのほか、無線LANを搭載したEye-Fiカードを挿入すると、Eye-Fiカードのアイコンが表示され、画像の転送中には転送を表すアイコンに変わる。従来はEye-Fiカードを挿しても、カードが挿入されたアイコンも転送中を示すアイコンも表示されなかったので、ネットに接続されているのかどうか不安だったが、アイコンのおかげで状況をつかめるようになった。これはユーザーにとってはうれしいところだ。

加えて、液晶画面右にある操作パネルの項目がユーザーによって入れ替えられるようになった。自分が表示する必要があると思われる機能を8つ選んで表示できる。SETキーを押して操作パネルを表示したらメニューボタンを押す。すると表示する機能の一覧が表れるので、その中から8項目を選択すればよい。ちょっとした機能だがインタフェースをカスタマイズできるのは、豊富な機能を持ったデジカメを使いこなす上で重要なポイントと言えるだろう。

液晶画面右にある操作パネルの項目を選択する画面。8個まで選択して入れ替えることができる(並び順は変えられない)

以上のようにEX-Z400はダイナミックフォトという目新しい機能でユーザを引きつけ、使い方の革新を提案しつつも、カメラ自体の基本的な性能を地道に高め、ユーザーがシャッターを押す以外ほとんど操作なし、あるいはほんのわずかな設定で想い通りの写真が撮れるよう、各機能とも精度が高められていた。

○設定なしで撮影したスナップ写真は以下のとおり

花に近づいてアップで撮影したもの。花びらのディテールはしっかり残った [12M+JPEG / 4.9mm(35ミリ相当) / プログラムAE(F7.0、1/250秒) / ISO 64 / WB:オート]

ズームして撮影。ボケ味がなめらかな印象 [12M+JPEG / 5.8mm(55ミリ相当) / プログラムAE(F3.6、1/60秒) / ISO 250 / WB:オート]

屋外、やや逆光気味なのでハレーションが起きている [12M+JPEG / 4.9mm(35ミリ相当) / プログラムAE(F2.6、1/400秒) / ISO 64 / WB:オート]

夕方逆光にて撮影。順光と色調、濃度に大きな差はない [12M+JPEG / 4.9mm(35ミリ相当) / プログラムAE(F7.0、1/320秒) / ISO 64 / WB:オート]

日中屋外でのスナップ。カラーコントラストにメリハリが出ている [12M+JPEG / 4.9mm(35ミリ相当) / プログラムAE(F2.6、1/60秒) / ISO 100 / WB:オート]

薄明かりの風景、シルエット部分にノイズっぽさは感じない [12M+JPEG / 4.9mm(35ミリ相当) / プログラムAE(F2.6、1/20秒) / ISO 800 / WB:オート]