仕上がりは撮影者の腕の見せどころ

できあがったものを見てみると、ダイナミックフォトは考え抜いて作るよりも、思いつきで作ったものの方が面白いように感じた。当初の意図から逸脱し、思わぬ効果に爆笑するほうが作っていて楽しい。そもそも、切り抜きが多少粗くても何がどう動いているのか分かりさえすれば、結構楽しめてしまう。

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いわゆる失敗例だが、切り抜けていない箇所がなんとも言えない"おとぼけ感"を漂わせている

動くキャラクターの撮影では、1秒(20fps)、2秒(10fps)、4秒(5fps)と静止キャラクターが選択可能。イラストなどを切り抜くときはコマ数を落としカクカクさせたほうがコミカルな動きを楽しめた。ただし4秒あると同じ動きの繰り返しだけではちょっともの足りなく感じる。ここをどう表現するのかが腕の見せどころとなるだろう。

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静止キャラクターであれば、何回でも合成可能。静止キャラクター(セリフ)を2回合成した後に、動くキャラクター(手)を合成して漫画の一コマのようなイメージに

実は、ダイナミックフォトは本体の液晶で動画として楽しめるが、20枚の静止画として保存されている。それをそのままパソコンに読み込んだのでは動画にはならない。そこでカシオでは「ダイナミックスタジオ」というサイトを用意し、20枚の静止画を無料で動画ファイルに変換するサービスを提供している。動画フォーマットの選択などもさることながら、オプションの繰り返しの回数、折り返しの有無の選択も作品の面白さの決め手となりそうだ。動きが止まって元に戻っていき、また同じように進行していく姿が繰り返す様は、単純だが笑えるものができ上がる。……続きを読む