ダイナミックフォト機能を使い、屋外で人物の撮影をしていて感じたのは、木々などの緑を背景とすると案外切り抜きやすいということ。もっとも風が吹いていて枝や葉が揺れているとダメだが、コンクリートの壁を背景にするよりも成功する確率は高かった。おそらくきちんと人を切り抜きたいなら、背景は髪の毛などと同色となる色、あるいはハイライト部分と重なる白は避け、ブルーまたはグリーンにしたほうがいいのだろう。また洋服は柄物ではない単色の服を着てもらい、動きも奥行き方向に移動するのではなく横移動とするなど、上手に切り抜くコツはいろいろありそうだ。

さらに、被写体を切り抜くために被写体のいない状態を撮影する際、先に撮影した写真が半透明で表示されるので、そこにうまく重なるように位置を決めて撮影するとうまく切り抜ける。ただそのとき背景が輪郭のハッキリしないものの場合、位置を合わせるのが難しくなる。切り抜くキャラクターの背景は、あとで位置決めするとき用に何か目印になるハッキリしたものの方が良いだろう。

失敗例。背景色と似た色だった被写体の顔部分の切り抜きが甘い。さらに影になってしまった部分もうまく切り抜きできていない

成功例。塗りのこしがないよう単色で色を付けたことでキレイに切り抜けた

結論としては確実に切り抜くには、やはり三脚が必要。慣れの問題もあるが手持ちの場合、連写しているうちにカメラが微妙に動いてズレてしまうからだ。先述したとおり、影に注意することも重要だといえる。被写体の下などに影が出ていると切り抜いたときに影が残ってしまうのだ。補助光を反対から当てるなどして影を消すとベストだが、家庭で試すには、被写体を壁から離す、あるいは影が映り込まないよう真横から撮影するなどが有効だといえる。

動画
合成例。イラスト部分(動くキャラクター)は、カメラを左右に振って撮影している

もうひとつダイナミックフォト特有の仕様で、切り抜いたキャラクターの大きさは、合成する静止画の約1/4になることは押さえておきたい。ある程度以上切り抜くキャラクターを拡大すると画質が粗くなってしまうためだという。これら特徴は踏まえて撮影したほうがよいだろう。……続きを読む