米Appleが米国で申請中の2つの特許が、US Patent & Trademark Officeによって公開された。それらが次世代のiPhone/ iPod touchを予想するヒントになると話題になっている。

どちらの申請もセンサーを活用したポータブルメディア・デバイスの操作に関する技術をカバーしている。多機能化や対応アプリケーションの増加によって、携帯電話やメディアプレイヤーの操作の効率性が損なわれつつある。またデバイスを利用する場が広がるとともに、従来のボタンやタッチによる操作が最適ではないケースも見られる。例えばジョギング/ ウォーキング中に多機能携帯やメディアプレイヤーを使って音楽を聴いている場合、かかってきた電話への対応やプレイリストの変更などでデバイスの画面に目を落としてしまう。ボタンやタッチで細かな操作を行うと、さらにデバイスへの集中が高まり、周囲への注意がおろそかになって危険である。このような問題に対して、特許申請中の技術はユーザーの状況に応じた操作を実現するソリューションになる。

4月2日に公開された出願書類の内容は、パーソナルメディア・デバイスにおける"動き"をベースにしたインターフェイスに関する技術だ。加速度センサーや近接センサー、ジャイロスコープ、環境センサー、アコースティックセンサー、IRセンサー、イメージセンサー、ビデオセンサー、GPS、コンパスなど、あらゆる種類のセンサーを対象に、POM(ポジション/ 方向/ 動き)センサーがとらえた情報からパーソナルメディア・デバイスのコントロールを支援する仕組みが論じられている。その内容は、動きのパターンを識別するアルゴリズムにも及ぶ。

もう1つの4月16日に公開された出願書類は、動き検出に関連したグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)仕様だ。センサー情報からデバイスがユーザーの行動を予測し、状況に応じてGUIが変化する。ユーザーが歩きながら電話をかけるときにコンタクト・リストの表示が大きくなる、といった例が考えられる。

16日公開の書類では、動画キャプチャ対応カメラをデバイスの裏・表に搭載する可能性にも触れている。そのため「次世代iPhoneにビデオ・チャット?」などの予想がネット上を飛び交っている。ただ、これまでもAppleは様々な可能性に対する特許を申請してきており、出願内容が必ずしも最終製品に反映されるとは限らない。2つの申請中のテクノロジから見えてくるのは"より多くの機能をより使いやすく"という姿勢であり、そのためにセンサーの活用を重視しているのは間違いなさそうだ。