消失点の調整

3D空間にあるモノは、遠くへ行けば行くほど、「ある点」に向かって小さくなっていく。このときの「ある点」を消失点と呼ぶ。

写真の中心(赤丸)へいくほど、遠くのものが小さくなっており、そこを消失点と呼ぶ

Flashでは、一点透視図法を用いて、3Dの描画を行っているため、消失点が1点のみ定められている。その消失点は、デフォルトではステージの中心になっている。ステージが基準にしている消失点を変更すると、3D座標における物体の移動距離や変形の度合いなどが変化する。消失点を変更するには、ステージ上にあるムービークリップを選択する。すると、プロパティパネルに、現在のステージが基準とする消失点のX,Y座標が現れる。消失点を移動させると、グレーの十字がリアルタイムに移動するのが見える。

プロパティインスペクタにある消失点

この値は、同じステージにある他のオブジェクトとも共通となっているので、お互いの位置関係を保ったまま、消失点を移動させることができる。また、消失点をステージの中央に戻すときは、プロパティインスペクタにある「リセット」ボタンで設定できる。下図のサンプル画像を見てほしい。

消失点が中央の場合、ふたつのレールは、中央に向かって延びているのがわかるが、消失点がステージの左に移動すれば、レールは左奥に伸び、消失点が右に移動すれば右奥に伸びる。消失点は、左右だけでなく上下にも変更することができる。消失点を上に設定すると、下(裏)から見上げているようになり、消失点を下に設定すると、上から見渡しているように見える。これらの時の消失点は、グレーの十字が示しているポイントになる。

消失点がデフォルトの場合

消失点がステージ左端の場合

消失点がステージ右端の場合

消失点がステージ上端の場合

消失点がステージ下端の場合

まとめ

Flash CS4の3D機能について使い方を前編、後編に分けて解説してきた。この機会にFlash CS4の新機能を是非学んでほしい。3D機能の使い方次第では、これまで苦労していたアニメーションを簡単に制作できる可能性を秘めていると言えるだろう。