米Microsoftは4月15日 (現地時間)、企業向けコラボレーションサーバソフト「Exchange Server 2010」のパブリック・ベータ版の公開、"2010"の名称で展開する次期Office関連製品の開発・提供スケジュールを明らかにした。

Word Webアプリケーション

米国時間の14日にベータ公開されたExchange 2010は、2009年下半期に製品リリースとなる予定だ。続いて2009年第3四半期に、Web対応版「Office Web Applications」を含む「Office 2010」、「SharePoint Server 2010」「Visio 2010」「Project 2010」などのテクニカルプレビューを開始、2010年上半期の製造工程向けリリース (RTM)を目指すという。

Information Worker Product Management担当シニアバイスプレジデントのChris Capossela氏は「ユーザーやビジネス顧客のテクノロジ利用の変化に応える製品として、われわれは次期Officeを開発した」と述べる。今日のビジネスユーザーはオフィス内外の区別のない情報アクセス・情報管理、柔軟性を求めている。IT専門家はコスト削減とともに、より高いビジネス価値を企業にもたらさなければならない。企業は効率性の向上を図りながら、法令や内部規定の遵守、セキュリティ強化に努める必要性に直面している。「次のOffice関連製品群は、これらの課題の解決を支援するものになる」とCapossela氏。PCだけではなく、Webや携帯電話を通じて共通したインターフェイスでドキュメント作成やコラボレーションを行え、またビジネスプロセスに即した情報アクセスと生産性の向上も実現するという。IT専門家に対しては、よりシンプルな導入を可能にし、管理コスト引き下げにつながる柔軟性を提供する。

ベータ公開となったExchange 2010は、チーフソフトウエアアーキテクトのRay Ozzie氏が打ち出したSoftware-plus-Services戦略に従って開発された。例えば、2007年10月よりMicrosoft Live@eduプログラム向けのOffice Outlook Liveを通じて、最大規模のユーザーグループに対応できるスケーラビリティの実現に取り組んできた。今日では2,000以上の教育機関において500万人以上をサポートしている。「新しいテストモデルはExchange 2010が、Exchange史上で最もスケーラブルなバージョンであることを証明している。これはメンテナンスや管理コストを、これまで以上に引き下げられることを意味する」とCapossela氏。

このほかExchange 2010の強化点として、メール送信関連の過失を防ぐ警告機能「MailTips」、ボイスメールをテキスト表示するプレビュー機能、スレッド表示、不要なメールのやり取りを避ける"ミュート"などが挙げられている。

不要なメールのやり取りを"ミュート"

ボイスメール・プレビュー

Outlook Web Accessを通じて、Mac+FirefoxでもWindows版と共通した操作性を実現

AppleのSafariで、Outlook Web Accessを利用

今後MicrosoftはExchange 2010に対するフィードバックを収集しながら、一般ユーザーを含むあらゆるタイプのOffice顧客に対し、数ヶ月にわたって次期Officeの新情報を提供していくという。