結婚したい、でも相手がいない、探したいけど……。そんなジレンマに陥っている「婚活未満」なあなたへ贈る本企画。サイバーマップ・ジャパンのデータによると、婚活に必要なものとして1位に挙げられたのは「積極性」だそうです 。一生を添い遂げる、運命の相手を探すことはとても勇気が要ること。でも、本当にそんな人がいるのか疑心暗鬼に陥り、その不安から最初の一歩を踏み出すことができない「婚活未満」な人も多いはず。マイコミジャーナル編集部では、その一歩を後押しするため、ある草食男子を主人公に「積極性を身につけるために必要なこと」を10回にわたってご紹介していきます。全話を読み終えた時、晴れて婚活のスタートラインに立てることを祈りつつ、まずは第1話を始めることにいたしましょう。
監修 : 結婚相談所シャルウィ 代表カウンセラー 伊藤小百合さん
1974年4月生まれ。アメリカ留学後に英会話講師、ホテルのフロント業を経て、人のお世話をする仕事に就きたいという思いが強くなり、2005年5月に結婚カウンセラーの資格を取得。2008年4月には神奈川県横浜市に結婚相談所「シャルウィ」を開設した。全国に1,000支部以上を持つ日本ブライダル連盟加盟。男性と女性の専任カウンセラーがそれぞれおり、お見合いやパーティー、オリジナルのセミナーなど様々な婚活方法で成婚までをプロデュースしている。ホームページは「結婚相談所シャルウィ」。
【Vol.1】たまには仕事を早めに切り上げて、普段立ち寄らなかった場所へ行く
「草食男子って、知ってる?」
同僚の春子にそう言われ、その言葉を良く知らなかった僕は「なに、それ?」と聞き返した。簡単に言うと、恋愛に消極的な男子のことらしい。春子に言わせると、僕のような人を指すのだという。確かに、僕は無口な方だし、一人が気楽だし、行動力も不本意ながら……無い。最近マスコミなどで紹介されている言葉で、草食男子が近年増えていることが、世間では未婚率増加の一因にもされているのだそうだ。なんか、悪者のように聞こえるけど。まぁ、いいけどさ。
草食男子は外出するより自分の部屋が一番好き。そう言われたって実際、自分の部屋が一番落ち着くし。平日は遅くまで仕事をして、コンビニで弁当を調達し、味気のないアパートの一室で、テレビを見ながら寝る……の繰り返し。もちろん、彼女はいない。今年で30歳になる。結婚願望は人並みにあるけど、職場での出会いは皆無。可愛いなと思う職場の女性はみんな彼氏持ち。僕が付け入る隙なんてない。
電車の中でイチャつくカップルに軽い怒りを覚えながらも、「あんな風にできたらな……」なんて、嫉妬にも似た感情を抱く自分がいる。で、ポツリといつもの独り言「今日も、なんもなかったな」。
でもさ、このまま歳をとったら、やっぱりまずいって。春子に言われた「草食男子」のレッテルに、ちょっと反発したくなった僕は少し早めに会社を抜け出し、どこかに行ってみようと思った。でもどこへ?
■結婚カウンセラーからのアドバイス
仕事に余裕のある日は定時に仕事を切り上げてみることから始めてみましょう。 積極性を身に付けようと思っても、仕事が遅かったり、時間に余裕がなかったりすれば、出会いのチャンスすらなくしています。ほんの少しでも自分の時間を作ることによって、余裕ができ、自分の中の気持ちを変化させる糸口になります。
どうしていいか分からなかった僕は、とりあえず職場近くの公園に立ち寄った。近くを通り過ぎることはあっても、一度も立ち寄ったことはなかったっけ。ベンチに座り、自販機で買った缶コーヒーをすする。僕の前を運動服姿の若い女性が何人も走り抜けていく。「そういえば、最近は若い女性の間でランニングが流行っているんだっけ」。結局その日は、1時間ほど公園でぼんやりしてから家路についた。"彼女"といきなり出会えるとは思っていなかったけど、これじゃあまりに変化がなさすぎる。でも翌日、春子に会社でそのことを話すと「実は、私も最近ランニングにハマってて……」といつになく嬉しそうに喋り出した。今まで春子と会話をしたって全然盛り上がらなかったのに……。
■結婚カウンセラーからのアドバイス
映画やショッピングなどもいいですが、そこまでハードルを上げなくても近所の公園やスーパーなど、普段は立ち寄らない場所に出かけるだけで今まで体感したことのないその場の雰囲気が新鮮に感じられ、たくさんの発見が見つかるはず。新聞で得た「最近ランニングが流行っている」という情報より、自分が見かけた生の情報の方がダイレクトに女性に伝わりますし、会話も盛り上がるでしょう。こうした小さな発見を見つけることから始めていくだけでも、積極性は身に付いていくのです。
そこで、少し自信がついてきた(ような気がする)僕は「寄り道奨励週間」と勝手に銘打ち、自分の行ったことのない場所へと繰り出してみることにした。
(つづく)