"Office 14" の開発コード名で呼ばれていた次期Microsoft Office製品は、その名を「Office 2010」として2010年前半にも発売されることになりそうだ。米Associated Press (AP)通信など、複数のメディアが報じている。米Microsoftでは15日(現地時間)中にも同製品の正式発表を行う見込みで、今年夏には一般向けの技術プレビューが公開されることになる。
Office 2010は現行のOffice 2007のメジャーアップデート版にあたり、一般向けのエディションにはWord、Excel、PowerPoint、OneNoteの最新バージョンが含まれるほか、IEやFirefox、SafariなどのWebブラウザを使って、ファイルの閲覧や編集を行う仕組みが提供されることになるという。同製品の提供にあたっては広告表示を条件とした料金フリー版が用意されるほか、企業向けに広告を排除した有料版の2種類が検討されているという。同社では今年第3四半期にも一部テスターに向けたOffice 2010の技術プレビューの提供を開始する見込みで、2010年前半にはRTMに到達して製品版の提供を開始することになりそうだ。またBetanewsによれば、SharePoint Server 2010、Visio 2010、Project 2010といった製品のベータテストも同じタイミングで実施されることになるという。
Office 2010では個々の機能のブラッシュアップのほか、いくつかの面で新しい特徴を備える。その1つがファイルフォーマットの拡大で、従来の(Microsoft準拠の)OOXMLのほか、ライバルらの提案するOpen Document Format (ODF)、そしてISO標準となった改訂版OOXMLなどすべてをサポートする初のOffice製品となる。またOffice 2010では初の64bit対応版がリリースされる見込みで、2010年1月までに発売が予定されているWindows 7のエディション構成に合わせる形で、32bitと64bitの両バージョンが別々に用意される。
さらに、Office 2010の正式発表に合わせる形で、MicrosoftではExchange Server 2010のパブリックベータ版の提供も行う。同製品は、現行のExchange Server 2007のメジャーアップデートにあたるもので、電子メールやスケジュール管理など、企業システムにコラボレーション機能を提供する。新機能として、Gmailのように連続するメールの会話内容をグルーピングする機能のほか、グループ送信など大量の宛先に間違ってメール送信を行ってしまう行動を警告するMailTips、"全てへ返信"などで届くメールの宛て先から自身を除外する"Ignore Conversation"機能、そしてVoice Mailを音声からテキスト変換して通知する機能などをサポートする。さらにOutlook Web Access (OWA)にも対応しており、これを利用してWindows以外のマシンやiPhoneといった携帯電話からExchangeにアクセスすることも可能。Exchange Server 2010での新機能の多くは、Outlook 2010との連携が必須となる見込みだ。