「LECで合格(うか)る DS」シリーズの『宅建』と『秘書検定』 - ゲームライターが本気(マジ)で挑戦してみたの巻

不景気だと言われている昨今。いわゆる"就活"も厳しくなっていると聞く。そこで、他の人に差をつけるために何らかの「資格」を取る人も多いらしい。そんな話をニュースで聞きながら、他人事のようにゲームのコントローラを握りしめている私。そんな折に、編集部から"レビュー"の依頼が届いた。

私もいっぱしのゲームライター。アクションゲームが苦手だとか、下手の横好きだとか、いろいろあったりはするが、頼まれた仕事は完遂するのみだ。で、ソフトは何かと尋ねたら、2月26日にスクウェア・エニックスから発売された『本気(マジ)で学ぶ LECで合格(うか)る DS宅地建物取引主任者』と『本気(マジ)で学ぶ LECで合格(うか)る DS秘書検定2級/3級』の2本とのこと。

LEC、すなわち「東京リーガルマインド」といえば、この「宅地建物取引主任者」や「秘書検定」をはじめ、司法試験などあらゆる資格を得るための学校として有名だ。そのLECとスクウェア・エニックスがタッグを組んだのだから、これはもう本格的な学習ソフトと思われる。つまりゲームではない……。

担当編集さんの「まあ、こういうご時勢ですから、ゲームばかりと言うわけにもいかないでしょう」という意味深な言葉は、ゲームだけではないという私の才能を買ってくれているのか、それとも、ゲームライターはあきらめて、資格を取って職探しをしろということなのか……。

まずは『本気(マジ)で学ぶ LECで合格(うか)る DS宅地建物取引主任者』に挑戦!!

まず最初に、この資格について軽く触れておこう。「宅地建物取引主任者」資格は、国家資格であり、不動産取引や仲介をする場合に必要となる。ちなみに合格率はパッケージに書いてあるとおり、約16％……。難関試験といわれるわけだ。

ソフトを起動し、タッチペンを使って自分の名前を登録。すると次回からは名前で呼ばれるほか、試験までの日時を表示してくれる。「試験まで、あと○○日○○時間○○分です」。これをプレッシャーに思うか、励みとするかは……その人次第である。

ソフトの内容は「毎日学習」/「実戦学習」/「実力テスト」といった3つに分けられている。まずは基礎固めをするため「毎日学習」からコツコツやるのがベストだろう。最初は"分野選択"をした後の"項目選択"も1つしか表示されないのだが、進めていくうちに選択できる項目が増えていく仕組みになっている。この「毎日学習」だけで、なんと1,200もの過去問が用意されているのだから驚きだ。さらに、本試験では四肢択一形式のところを○×問題に再編成されているので、サクサクと学習を進めることができる。そして間違えた箇所のみを抽出して解説を読むことで、着実に苦手な問題を克服することが可能だ。

続いては「実戦学習」。こちらは、本試験と同じ四肢択一形式となっている。特徴としては、問題の範囲を選択できるようになっていることが挙げられる。分野別や誤答した問題、重要度などから選択するとランダムで出題される。また、"傾向分析"で学習の進み具合や正解率などが表示。こちらは全555問の過去問が用意されている。

そして「実力テスト」は力試しのモード。模擬試験(25問/60分)の形式になっている。ここでの出題は本試験と同じ配分となっていて、しかも毎回ランダムに出題される。その時点においての実力がチェックできるので、本試験に向けて計画的に学習を進める目安にもなるだろう。

全体的に見て、このソフトはニンテンドーDSの特徴をうまく活かしていることに気付く。例えば、2画面を使って上は出題画面、下には解答/解説画面が表示。タッチペンでの直感的な簡単操作も嬉しい。また、携帯ゲーム機ということもあり、"いつでもどこでも"学習が進められる点も注目だ。特に仕事を持ちながら受験しようとする人の場合、勉強のための時間を確保するのが最初の壁となることが多い。しかし、このソフトなら通勤中やちょっとした休憩時間などでもコツコツと学習を進めることができる。

さらに、これもニンテンドーDSならではのポイントとして、"Wi-Fi通信"を利用して法改正に対応した問題がダウンロードできる点も注目だ。法改正は、個人レベルではなかなか対応できないもの。これは試験勉強をしている人には非常に心強いポイントといえそうだ。

また、特典も用意されている。本ソフトを購入するとLECの「宅地建物取引主任者試験」の模擬試験が"無料"で受けられるのだ。学習の総仕上げとして模試を受けるのは当然であり必須。絶対に見逃せないポイントである。「宅建」の試験対策は、とにもかくにも「過去問」といわれているそうだ。それを鑑みると、LECの「出る順宅建ウォーク問過去問題集」全3冊分が詰まっている本ソフトは、試験勉強の大きな味方となってくれるであろうことは間違いなしである。