アートフィルター以外にも、表現力を高める独自機能としてマルチアスペクトや多重露出をE-30から継承する。マルチアスペクトとは、画像の縦横比率を切り換える機能だ。E-30に比べてアスペクト比の選択肢は減ったものの、通常の4:3のほか、3:2、16:9、6:6を選べる。この機能は、画像の一部をトリミングするので、レタッチソフトなどを使ってPC上で比率を変更しても結果的には同じともいえる。だが、ライブビュー表示を見ながら、撮る際に比率に応じた構図を決められるのは便利だ。
多重露出機能は、1コマ撮影した後、その画像をライブビュー画面上に半透明表示しながら、2コマ目を撮影すると、その2枚がカメラ内で自動合成される機能だ。重ねられる枚数はE-30の最大4コマから最大2コマに減ったが、多重露出を繰り返すことで2コマ以上の合成もできる。すでに撮影したRAW画像を選択して、他の画像を多重露出することも可能だ。
そのほか、露出/ホワイトバランス/フラッシュ光量/ISO感度のブラケット撮影、発色傾向を切り替える仕上がりモード、白飛びと黒つぶれを抑える階調オート、外部フラッシュのワイヤレス発光、レンズごとのAFの微調整機能、秒間4コマの連写などに対応する。E-30にあった電子水準器は省かれ、連写スピードは低下したが、それ以外はミドルクラス機と肩を並べる多機能さといっていい。
操作性については、E-3やE-30のようにグリップの前後に2つのダイヤルを持つタイプではなく、E-420やE-520と同じく、1つのダイヤルで絞りやシャッター速度を調整するタイプとなる。ホワイトバランスや感度、測光、フォーカスモード、ドライブモードなどにはそれぞれ専用ボタンがあり、スピーディな切り替えが可能だ。
また、カスタマイズ可能なFnボタンや、カメラの状態を2つまで登録できるリセット機能やマイモードなども従来機から継承する。カスタムメニューでは、ダイヤルの回転方向やボタンの機能割り当てなどを細かく変更できるが、そのことをかえって難しく感じるビギナー向けの配慮として、カスタムメニューを非表示にもできる。……続きを読む