ソフトウェアの改善だけではないその役割
Dassaultの提供するソフトウェアをよりデザイナー向けに改善していくほか、DS Design Studioにはさまざまな役割が与えられている。
例えば、カスタマと共同でプロジェクトを行ったりもするという。ただし、この場合は、カスタマの有するデザイナーに1つのチームとして、ツールの使い方やツール使用による可能性を提示してデザイン効率を高める役割を担うという。
また、デザイナー同士のネットワークをオンラインプラットフォームとして構築し、3次元のプラットフォームがデザイナーの世界で何を起しているのかの提供や、コミュニティの形成により、自分と違った分野のデザイナーから刺激を貰ったりインスパイアしたり、といったことを世界中のデザイナーに向けて行っていくことを計画している。
このほか、「デザイナーのキャリアのすべてをサポートしてみたい」ともAnne氏は語る。例えば、デザイナーの卵として学校で教育を受けている段階では、教師や学校がサポートをしてくれるが、社会に出て、職としてのデザイナーになった瞬間、今まで得ていたサポートは受けることができなくなる。「こうしたサポートはそうした時期が1番必要とする時期であるのにもかかわらずだ」(同)ということであり、そうした段階からエキスパートと呼ばれるレベルの人達も含めたサポートをすることで、より良い創作活動ができるようにしていきたいという。
なお、デザインの中にシステムを入れ込むのはエンジニアの仕事だが、デザインが洗練されると、その複雑な仕組みに対して、機能を入れ込むことを非常に苦労させられることとなるが、これについてAnne氏は「結局はコラボレーション。デザイナーとエンジニアの役割が変わってくる」と語る。つまり、今は別々のツールを使ってそれぞれがそれぞれの仕事を行っているが、「将来的には同じツールを使うように一本化できるようになり、共通認識を持つことができるようになる。そうすれば同じタイミングで仕事をすることができ、お互いが互いの思惑を理解しつつ要求をすり合わせていくことが可能になる」とし、ツールの進化に期待してもらいたいとした。