NTTドコモ取締役常務執行役員の坪内和人氏(左)とオークローンマーケティング代表取締役社長のハリー・アレクサンダー・ヒル氏(右)

既報の通り、NTTドコモはオークローンマーケティング(OLM)と資本提携について合意したと発表した。6日に報道関係者向けの会見を行い、モバイルEコマース市場の活性化を図るとともに通信販売事業へ進出することを明らかにした。

OLMは「ビリーズブートキャンプ」などのエクササイズ商材や健康食品、ヒットソング集のCDなどをテレビショッピングやショップジャパンといったインターネットサイトを通じて販売を行っている通信販売会社。

今回NTTドコモがこのOLMの普通株式55,215株(発行株式総数の51%)を総額310億円で既存株主より取得、買収した。買収後は現OLMの代表取締役社長ハリー・アレクサンダー・ヒル氏がそのまま代表取締役社長となり、代表取締役副社長には現NTTドコモ グループ事業推進部長の守屋学氏が就任する予定となっている。

守屋氏は会見で、OLMとの資本提携に至った経緯について「新たな事業への参入機会を模索してきた中で、ダイレクトマーケティング(通信販売)市場がドコモのモバイルビジネスと親和性が高く、新しい事業領域として大きなシナジーを発揮できると判断した」と説明。また、ここ数年小売市場が伸び悩む中、通信販売市場は拡大している点についても注目したという。ドコモが参入することで、通信販売市場の拡大を加速させるとともに、モバイルEコマース市場の活性化を図っていくという。

OLMは既存メディアに加えインターネット・モバイルへの可能性や融合を挙げ事業の発展を目指す

5,400万ユーザーを抱えるドコモのモバイルビジネスとダイレクトマーケティング(通信販売)市場は親和性が高いとの見解

ドコモはOLMとの資本提携の理由として、豊富な地上波の放送枠やオペレーション能力を挙げている

小売販売は販売額が伸び悩むが、通信販売は成長市場だという

買収後の具体的なサービス内容は検討段階とのことだが、「iモード」や「iコンシェル」、「DCMX」などドコモの決済手段や「ドコモポイント」との連携のほか、動画コンテンツによる通信販売の展開についても言及した。「モバイル動画通販はポテンシャルが高いマーケットだと考えており、かなり力を入れていくことになるだろう」(守屋氏)。

事業展開について「双方のサービスやノウハウの連携をステップ1、動画通販などはステップ2」と説明

ドコモは、現在およそ3000億円規模のモバイルEコマース市場が1兆円規模まで成長すると予測している

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