筑波技術大学、ソフトバンクモバイル、長野サマライズ・センター、群馬大学は6日より、聴覚障害を持ったユーザーを対象とした「モバイル型遠隔情報保障システム」の導入実験を開始すると発表した。実施期間は2010年3月末まで。

今回実験するモバイル型遠隔情報保障システムは、携帯電話を利用して遠隔で「パソコン要約筆記」を行うというもの。これまでの要約筆記は、大学の講義などに2名の通訳者が同席し、パソコン画面に入力していた。今回実験を行うモバイル型遠隔情報保障システムでは、携帯電話を通じて、話者の音声を遠隔地にいる通訳者に送信し、そこから字幕データを受信する形になる。これにより、通訳者が立会わなくても要約筆記の利用が可能となる。

「モバイル型遠隔情報保障システム」のイメージ

なお同システムは、ディスプレイが大きく、通話とインターネットアクセスが同時に行えるiPhone 3Gでの実用化を予定しているという。実験は、ソフトバンクモバイル本社、筑波技術大学、群馬大学、長野県内の小学校で行う。通訳業務は、長野サマライズ・センターが担当する。

今後4者は、他の企業でも導入できるよう、同システムの利用マニュアルや各種ノウハウなどを各者のウェブサイトを通じて公開。企業における情報保障への取り組みのモデルケースとして提案していく予定。