ただ高性能なだけじゃつまらない……そんな人にピッタリなのが日本エイサーの「Aspire G7710」だ。捕食者をイメージし、「Aspire Predator」の異名を持つSF的でごついデザインは、メカ好きやゲーマー心をビビッと刺激する。今回は、その猛烈にインパクトのある見た目を中心にチェックしていく。

評価機の主な仕様  [CPU] Intel Core i7-940(2.93GHz)  [チップセット] Intel X58 Express  [メモリ] 6GB  [HDD] 2TB  [ディスプレイ] なし  [サイズ] 約W190×D490×H430mm  [OS] 64bit版Windows Vista Home Premium  [直販価格] 約280,000円

捕食者のイメージどおりの開閉式プロントパネル

日本エイサーといえば、ネットブックの「Aspire one」や液晶ディスプレイで知られているが、実はパソコンの世界シェアはなんと第3位というのも有名な話。日本で有名なGatewayやeMachinesを傘下に置くビックメーカーなのだ。

その日本エイサーが、ゲーマー向けPCの最高峰に位置づけているのがこの「Aspire G7710」。CPUにIntel Core i7、メモリは6GB、グラフィックはNVIDIA GeForce GTS 150のSLI構成と思わず唸るハイスペックを持っているのが大きな魅力ではあるが、それ以上に驚くというか、楽しませてくれるのがデザインだ。

まず注目したいのが、開閉式のフロントパネル。上に跳ね上げて、天面へとスライドできる作りとなっている。それを見た仕事場を私とシェアしているM氏が「それって意味があるの?」と無粋なことを聞いてきたが、まったくロマンがない。上に跳ね上げるドアといえば、カウンタックやデロリアンを連想させ、30~40代の男にとっては無条件にカッコイイものと相場は決まっている。

開閉式のフロントパネル。上に持ち上げることで天面に移動させられる

それに捕食者をイメージしているだけに、フロントパネルを閉じるときは、まるでエイリアンの口が閉じるようで非常にSFちっく。ちょっと触っただけでニヤリとしてしまう。

光ドライブの部分には左右にパカッと割れる開閉パネルがつけられている。これもなんとなく捕食者っぽさを感じされる部分だ

水冷システムの採用で驚きの静かさを実現

もちろん、フロンパネルはユニークなデザインだけではなく立派な意味がある。鉄製であるため、閉じておけばドライブの動作音やファンの風切り音がかなり軽減されるのだ。さすがに、グラフィックボードに負荷がかかると多少うるさく感じるが、負荷のあまりかからない処理ならば、無音とはいかないまでもハイエンドモデルとは思えない静かさだ。これは、CPUの放熱に水冷システムを採用するなど、効率的な冷却をするべく作り込まれた内部構造のおかげも大きい。

ちなみに、本機はドライバを使わずに内部へとアクセスできるツールフリー構造を採用。背面のレバーを上げるだけでサイドパネルをはずせるかと思いきや、フロントパネルを開閉させるためのレバー(両サイドにある)をはずす必要があるのは、デザインのために利便性が失われているのでは……と思わなくもないが、その微妙な駄々っ子ぶりもまた面白いところだ。

CPUの放熱には水冷システムを採用している。冷却液は自動的に循環する仕組みで、メンテナンスは必要ない

サイドから見たところ。効率のいいエアフローと水冷システムでハイエンドモデルとは思えない静かさを持つ

さて、今回は遊び心を感じさせるデザインを中心にお届けしたが、次回のレビューでは拡張のしやすさのレポートと、ベンチマークソフトを使っての性能チェックをしていきたいと思う。

■仕様
型番 Aspire G7710
CPU Intel Core i7-940(2.93GHz)
チップセット Intel X58 Express
メモリ 6GB
HDD 1TB×2
光学ドライブ Blu-rayディスク
グラフィックス NVIDIA GeForce GTS 150×2
ディスプレイ なし
オーディオ Intel High Definition Audio
ネットワーク 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T
インタフェース USB2.0×11、PS/2×2、VGA出力ほか
サイズ W190×D490×H430mm
OS 64bit版Windows Vista Home Premium
実勢価格 約280,000円