ANAインターコンチネンタルホテル東京

かつての東京全日空ホテル(東京・溜池山王)が、インターコンチネンタルホテルズグループとの共同ブランド化を行い、ANAインターコンチネンタルホテル東京となって間もなく2年が経つ。同ホテルでは高層階「クラブインターコンチネンタルフロア」(以下、クラブフロア)を順次改装して設備・客室数の充実を図ってきたが、今年2月にクラブフロア宿泊客専用の「クラブインターコンチネンタルラウンジ」(以下、クラブラウンジ)をオープンして以降、28階から35階を新しいクラブフロアとして展開している。

「ラグジュアリーな東京の新しい顔」をコンセプトに、国内外のビジネス客・観光客に向けてワンランク上のサービスを提供するという、新しいクラブインターコンチネンタルフロア。「ビジネスでの利用も快適なんですよ」という広報担当者の声に、実際、宿泊をしてその快適さを体験してみた。

高層階(35階)に位置する「クラブインターコンチネンタルフロア」

目的別に賢く、スマートな利用

クラブフロアのレセプションエリアから見た景色。六本木ヒルズがこんなにはっきりと

クラブフロア宿泊客向けのサービスとして大きく謳われているクラブラウンジは、客室階としては最上階の35階に設けられている。ラウンジとしてオープンする前は一部のスイートルームとして使われていた場所だけあって、ここからは皇居や東京ミッドタウン、六本木ヒルズなど都心の景色を一望できる。さらに、天気が良い日には富士山が見えることもあるという。ラウンジは7時から22時30分までオープンしており、宿泊客は滞在中無料で利用することができる。

クラブフロアの宿泊客はこのクラブラウンジにあるレセプションエリアでチェックインを行える。同ホテル2階の通常フロントが混雑しているときでも、ここなら着席でゆったりと手続きが可能で、滞在中に利用できるサービスの説明などを受けることもできる。

クラブフロアのレセプションエリア。チェックインはスムーズに行える

クラブフロアラウンジの一部。取材時も打ち合わせに利用している宿泊客が多かった

ラウンジの中にもパーソナルスペースを

外国人の利用客が多いため、英語版の雑誌・新聞もそろっている

クラブラウンジは、いくつかのエリアから構成されている。まず、先ほどのレセプションエリアのすぐ奥に広がっているのがライブラリーエリアだ。アート、カルチャー系の雑誌・書籍が取りそろえられているほか、大画面液晶テレビなどが用意されており、滞在中の空き時間にはここで読書やスポーツ観戦などを楽しみながらくつろぐことができる。このエリアはビジネスコーナーも兼ねており、PCブースが用意されているほか、持参したノートPCなどで無線LANを利用することも可能だ。

興味深いのは、先ほどの大画面テレビの音声は、ワイヤレスヘッドフォンを通じて再生されるようになっている点だ。これにより、テレビでスポーツや映画を楽しみたい人は迫力ある音響を楽しむことができ、打ち合わせやPC作業でラウンジを訪れた人はテレビの音に邪魔されず仕事ができるというわけだ。

大きなスクリーンの音声は、ワイヤレスヘッドフォンで楽しむのでスポーツ中継を見ていても、歓声をあげない限り(?)ラウンジの雰囲気を壊すことはない

軽食、ドリンクサービスは仕事をしながらという使い方も

ライブラリーエリアから右手に進むと、バーエリア、ダイニングエリアが広がっている。クラブフロア宿泊客にはここで朝食がブッフェ形式で提供されるほか、一日を通じてフリードリンクが用意されている。このエリアはすべて皇居・国会議事堂側に面しており、窓際にはハイテーブルも用意され、日中は皇居の緑、夜はビジネス街のビル群が作る夜景を楽しむことができる。

17時30分から19時30分まではイブニングカクテルのサービスがあり、シャンパン、ワイン、ビール、ウィスキーなどの各種アルコールに加え、館内レストランの料理を一口サイズにした軽食も並べられている。夕食に出かける前、食前酒代わりにここで同行者とお酒を楽しむといった使われ方をしているようだ。食べ物は基本的に軽食のみが提供されているが、ルームサービスをラウンジへ届けてもらうこともできるので、ここで食事をすることもできる。

朝は朝食、午後はアフタヌーンティー、夕方はイブニングカクテルを楽しむ宿泊客が集うバー・ダイニングエリア

バーエリア、ダイニングエリアは朝食やカクテルサービスの時間以外は比較的空いているが、日中もドリンクや軽いスナックは用意されており、無線LANを利用することもできるので、朝出かける前や夕食から戻ってきた後などに、ラウンジでコーヒーを飲みながらちょっとした仕事を片付けるといった使い方ができそうだ。