6カ月で、報酬は15万豪ドル(日本円で約900~1,000万円)、仕事内容はオーストラリア・クイーンズランド州のハミルトン島に在住し、島の管理やブログ等で宣伝業務を行う"アイランドケアテイカー(島の管理人)"―。そんな夢のような仕事を"The Best Job in the world"と銘打って、クイーンズランド州観光公社が世界中に募集をかけ、マスコミでも大々的に取り上げられたのは記憶に新しい。結果、世界各国からの応募があり、その総数は3万4,684名に上り、世界中に反響が及んだ。

全長2,400km、年間200万人の人が訪れるという観光地のグレートバリアリーフ

バリアリーフの中央に位置するのがハミルトン島。とくにカップルに人気の高いハート型のさんご礁"ハートリーフ"などが有名

3月2日に2次選考通過者50名を発表し、いよいよ4月2日に最終審査に通過する11名が決定される。そのうち1名は、投票数で圧倒的な差をつけた台湾人女性がすでに選出されているが、残り10名を選出する第2次審査結果発表を目前に、第1次審査を通過した日本人の小林美絵子さん、宮野サムさん、日本在住のカリナ・ウォレスさんに"アイランドケアテイカー"に対する意気込みを訊ねてみた。

小林美絵子さん

小林さん:「まさか自分が50名の中に残れるとは思ってもみませんでした。ただ、この仕事の募集は、自分にとって"タイミング""仕事内容"ともに運命的な出会いと感じるものだったのですごく嬉しいです。オーストラリアは大好きな国。今も微力ながらPRに関われていることを誇らしく思います」。


宮野サムさん

宮野さん:「会社の同僚や知人に勧められて応募しました。マリーンスポーツが好きなのと、海洋生物学専攻、海洋保護地で働いたという経験があったので正直なところ、1次審査に通過する自信はありました。2次審査は、結果を待つしかないですね。もしケアテイカーに選ばれたら、スキューバ、ウィンドサーフなどを通じてグレートバリアリーフの魅力を英語・日本語で伝えていきたいです」。


カリヤ・ウォレスさん

ウォレスさん:「自然が好きなのでハミルトン島に興味もありましたが、応募の際の『クリエイティブビデオ』作成をやってみたいというのも応募理由です。もし、ケアテイカーの仕事をやることになったら、マーケティング・PR活動はもちろん、デザイナーという自分の職業をいかして、ハミルトン島の"魅力的で目立つ"広告なども作っていきたいです」。


クイーンズランド州観光公社日本代表の西澤利明氏は「私どももこれほどの反響があるとは思ってみませんでしたが、金融危機のさなかで明るい話題の提供ができ、タイミング的にもネーミング的にも"BEST"だったのだと思っています。クイーンズランド州・ハミルトン島は魅力的なリゾート地なので、これを機にいっそう観光促進に勢いをつけられれば」と述べた。日本からの応募者が残り10人の枠に入るかどうかを予想を聞いたところ「正直なところ何とも申し上げられませんが、語学力・業務姿勢・適正・エッセイなどで厳正に判断したいと思っています」(クイーンズランド州観光公社)とのこと。第2次審査の結果発表まであと数日に迫る。

(左から)26日に行われたプレスパーティーに出席したウォレスさん、ハミルトン・アイランド・リゾートCEO グレン・パーク氏、小林さん、クイーンズランド州観光公社日本代表の西澤氏