カシオのブースでは、女性キックボクサーや空手家のアクションを超高速で撮影するデモンストレーションや、静止画と動画を組み合わせる「ダイナミックフォト」をメインにブースを組み立てていた。高速再生に対応したビュアー「EXILIM STATION」も興味深い。
ボクサーのインパクトの瞬間を写し取る
カシオのブースにはステージが2つ用意されている。ひとつは超高速連写やハイスピードムービーのためのもの。そこに登場したのは、キックボクサーであり、M-1女子初代ミニフライ級チャンピオンの岡田敦子さん。その素早く、迫力のアクションを「EX-FH20や「EX-F1」で撮影しようというわけだ。
ステージ脇にセットされたカメラからリアルタイムで背後の大きなモニターに映像が表示され、どういった撮影が行なわれているか、ひと目で分かる仕組み。撮影しているのはプロカメラマンではなく、デンモンストレーターの女性がやっているというのもいい。
司会が合図するや否やパンチ一閃。瞬きする間もないほどの速さだ。「では見てみましょう」と再生が始まる。インパクトの瞬間もきれいに撮影できている。さすがだ。続いてキックで紙風船を割るシーンを高速動画で撮影。こちらもスローモーションできれいに撮影できている。
PIE会期中は、岡田敦子さんのほか、空手全日本無差別級王者の小林由佳さんもステージに登場する。カシオの超高速撮影を体験するのに、非常に説得力の高いデモンストレーションだ。
作って楽しい、贈って喜ばれるダイナミックフォト
もうひとつのステージでは、写真(静止画)と動画を簡単に組み合わせる「ダイナミックフォト」をアピールしている。ダイナミックフォトとは、連写した画像をもとに動く合成写真が作れる機能。もちろん映画のCGのように精密なものではないが、逆になにやら温かい雰囲気がある。なにより、カメラだけで簡単にできるのがいい。
作成したダイナミックフォトは自分だけでなく、人に送って楽しみたいもの。そんなときに便利なのが「Dynamic Studio」だ。作成したダイナミックフォトを無料で動画に変換してくれる。MPEGやMOVなどパソコンでお馴染みのフォーマットだけでなく、携帯電話用の動画にも変換できる。Webだから、誰かに贈る場合もURLだけを送信すればいい。同社ブースではその方法も解説してくれる。
ハイスピードだからこそ専用のビュアーユニット
そのほか同社のブースには、ダイナミックフォトが可能な「EX-Z400」や「EX-S12」、ハイスピード撮影が可能な「EX-FS10」など、多くのEXILIM製品を展示している。これらも楽しいのだが、目を引いたのは参考出品の「EXILIM STATION」だった。テレビなどにつないで画像を再生するビュアーユニットで、カードスロットの付いたシンプルなボディとリモコンで構成されている。
なぜEXILIM STATIONが登場するかというと、それだけEXILIMが先に進んでいるからだ。EX-FH20などの高速連写モデルで撮影した画像を一般的なフォトフレームやビュアーソフトでスライドショー表示にすると、延々と同じようなシーンが表示されることになる。それではさすがに楽しくないだろう。高速連写には高速連写に対応したビュアーが必要なのだ。
展示されたEXILIM STATIONは、まだまったくの試作段階で、仕様も固まっていないということだが、リモコンを見ると早送りやズームなどのほか、「RGBY」などのボタンもある。「HDD」ボタンは外付けハードディスクのためのものらしい。EXILIM STATIONはかなり高性能なものになりそうだ。