そんなA氏が、全社のIT統制における電子メールのセキュリティ施策を実現するためのソリューションに求めたものは以下の3点である。

  • 冗長化構成を実現できること
  • 堅牢性があること
  • ログの一元管理が可能であること

冗長化については、メッセージ送信時のメール配送ルートに入る構成となるため(図参照)、システムが停止することは許されない。従って、万一の際の二重化構成は必須とされた。 堅牢性については、Linuxでの運用が前提とされた。 「 Windowsという選択肢も検討しましたが、当社の実績を踏まえると、"連続運転に対する安心感はLinuxの方が上"という結論になりました」

さらに、運用管理の効率化を図るため、ログの一元管理も必須条件とされた。これは、常時稼働するメインのサーバ(1号機)とバックアップサーバ(2号機)とは別に、分析や調査を行うための専用マシン(3号機)を1台用意し、このマシンに1号機、2号機のログを集約するというものだ。ログの集約を3号機に行わせることで証跡管理を効率化することの他に、データの増大によるHDD増設の際、システムを止めることなく作業を行えるようにするという含みもある。 システム構築を含めて、このような条件をすべて満たしたのが、キヤノンITソリューションズの「GUARDIANWALL」だったというわけだ。

「実績面については、当時(現在も)市場シェアが1位(※)であるということも重要視しました。製品の導入前に、実運用を踏まえた完全な検証を行うことは困難ですが、そんな時に参考になるのは、やはり導入実績の多さです」

A氏は、導入に際して2~3つほど他社のソリューションも検討したと言うが、「コスト面での競争力も十分」だったことも、GUARDIANWALLを選んだ大きな要素の一つだという。

※ 出所:富士キメラ総研「2008ネットワークセキュリティビジネス総覧」